PE7-039|公共・政治経済 対策問題
保護貿易の主張についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
ドイツのリストは、発展の遅れた国は幼稚産業が育つまで関税などで保護すべきだと説いた
この問題のポイント
自由貿易論(リカード)と保護貿易論(リスト)の対立軸と、幼稚産業保護論の内容を問う問題。
解説
リカードの自由貿易論に対し、19世紀ドイツの経済学者リストは保護貿易を主張した。
当時のドイツは、産業革命を終えた工業国イギリスに比べて工業化が遅れていた。リストは、国の経済には発展段階の違いがあり、後発国がいきなり自由貿易を行えば、生まれたばかりの国内産業は競争に敗れて育たないと考えた。そこで、将来性のある未成熟な産業(幼稚産業)が国際競争力を持つまで、関税や輸入制限で一時的に保護すべきだと説いた(幼稚産業保護論)。
これは自由貿易の全面否定ではなく、発展段階に応じた政策選択の主張である点に注意したい。
現代でも、途上国の工業化政策や、各国の農業保護などをめぐって、自由貿易と保護貿易の対立は繰り返し現れる。保護の手段には関税のほか、輸入数量制限などの非関税障壁がある。
ひっかけポイント
リカード=自由貿易、リスト=保護貿易という人物の対応の入れ替えが最頻出。幼稚産業は「後発国の未成熟産業」であり、先進国の成熟産業ではない。
選択肢の確認
①「イギリスのリカードは、自由貿易を否定して保護貿易の必要性を体系化した」
❌ 誤り。
誤答理由: リカードは自由貿易の理論家であり、保護貿易を体系化したのはリストである。人物の対応が逆になっている。
②「リストは、経済の発展段階にかかわらず、すべての国が直ちに自由貿易を行うべきだと主張した」
❌ 誤り。
誤答理由: リストは発展段階の違いを重視し、後発国の即時の自由貿易には反対した。全否定ではないが、無条件の自由貿易論者ではない。
③「幼稚産業保護論とは、先進国の成熟した産業を輸入品から守る考え方である」
❌ 誤り。
誤答理由: 幼稚産業とは後発国の未成熟な産業のことであり、先進国の成熟産業を守る考え方ではない。
④「ドイツのリストは、発展の遅れた国は幼稚産業が育つまで関税などで保護すべきだと説いた」
✅ 正しい。
正解。ドイツのリストは経済発展段階説に立ち、後発国は幼稚産業が育つまで関税などで保護すべきだとする保護貿易論を唱えた。
覚えるポイント
- リストは後発国ドイツの立場から保護貿易を主張
- 幼稚産業が育つまで関税などで一時的に保護
- リカードの自由貿易論との対比で覚える
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。