PE-D1-01|公共・政治経済 対策問題
貿易に関する学説についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
リカードは、各国が相対的に得意な財の生産に特化して貿易し合えば、関係国全体の利益が増えると説いた
この問題のポイント
比較生産費説を問う問題。「リカード=自由貿易・比較優位」「リスト=保護貿易・幼稚産業保護」という学説の対比で解ける。
解説
19世紀イギリスの経済学者リカードは、比較生産費説によって自由貿易の利益を理論的に示した。
ポイントは「絶対」ではなく「相対」である。たとえ一方の国があらゆる財を他国より安く作れる場合でも、それぞれの国が国内で相対的に得意な(機会費用の小さい)財の生産に特化し、貿易で交換すれば、世界全体の生産量は増え、双方の国が利益を得る。これが比較優位の考え方であり、国際分業の理論的基礎となった。
これに対し19世紀ドイツのリストは、工業化の遅れた国が自由貿易を受け入れれば、先進国の製品に国内産業が押しつぶされると批判した。発展途上の幼稚産業が育つまでは、関税などで輸入を制限して国内産業を守る保護貿易が必要だと説いたのである。
自由貿易か保護貿易かという対立軸は、現代のWTOの自由化交渉や、各国の農業保護をめぐる議論にも引き継がれている。
ひっかけポイント
リカード(自由貿易)とリスト(保護貿易)の入れ替えが最頻出。比較生産費説は「絶対的に安い国だけが得をする」のではなく、双方が利益を得る点が核心である。
選択肢の確認
①「リストは自由貿易を主張し、リカードは保護貿易を主張した」
❌ 誤り。
誤答理由: 対応が逆である。リカードが自由貿易を、リストが幼稚産業保護のための保護貿易を主張した。
②「比較生産費説は、絶対的に生産費が低い国だけが貿易の利益を得るとする学説である」
❌ 誤り。
誤答理由: 比較生産費説の核心は、絶対的な生産費の高低にかかわらず、相対的な得意分野への特化で双方が利益を得られる点にある。
③「保護貿易とは、関税を撤廃して輸入を促進する政策のことである」
❌ 誤り。
誤答理由: 保護貿易は関税や輸入制限によって国内産業を守る政策であり、関税の撤廃はむしろ自由貿易の政策である。
④「リカードは、各国が相対的に得意な財の生産に特化して貿易し合えば、関係国全体の利益が増えると説いた」
✅ 正しい。
正解。リカードの比較生産費説は、各国が相対的に得意な財に特化して自由貿易を行えば、関係国全体と双方の利益が増えることを示した。
覚えるポイント
- リカード=比較生産費説、特化と自由貿易で双方に利益
- リスト=幼稚産業保護のための保護貿易
- 比較優位は相対的な得意分野で決まる
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。