PE7-055公共・政治経済 対策問題

政治・経済D 国際経済(2) 為替と国際通貨体制

1997年のアジア通貨危機についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

タイの通貨バーツの暴落から始まり、短期資金の急激な流出で危機が近隣諸国に波及し、IMFが支援に乗り出した

この問題のポイント

アジア通貨危機の発端(タイ・バーツ)と、短期資本の急激な移動という原因、IMF支援という帰結を問う問題。

解説

1990年代のタイ・インドネシア・韓国などは、事実上ドルに固定した為替相場の下で、海外から短期資金を大量に受け入れて高成長を続けていた。
1997年、タイの通貨バーツヘッジファンドなどの投機的な売りを浴びて暴落すると、外国資本は雪崩を打って引き揚げ、危機はインドネシア・韓国などへ連鎖的に波及した(アジア通貨危機)。各国は固定的な相場を維持できず変動相場へ追い込まれ、通貨急落と企業倒産、失業の急増に見舞われた。IMFはタイ・インドネシア・韓国に緊急融資を行ったが、その厳しい融資条件(緊縮政策)が不況を深刻化させたという批判も残った。
この危機は、国境を自由に移動する巨額の短期資本がもたらすグローバル金融の不安定性を象徴する出来事であり、地域の通貨協力(チェンマイ・イニシアティブ)が生まれる契機となった。

ひっかけポイント
発端はタイのバーツ(1997年)。中南米の累積債務問題(1980年代)やリーマン・ショックに始まる世界金融危機(2008年)との時期・場所の混同が定番。

選択肢の確認

①「アジア通貨危機とは、2008年のアメリカ発の世界金融危機のことである」
誤り。
誤答理由: 2008年の世界金融危機はアメリカのリーマン・ショックを発端とする別の危機である。1997年のアジア通貨危機とは区別する。

②「タイの通貨バーツの暴落から始まり、短期資金の急激な流出で危機が近隣諸国に波及し、IMFが支援に乗り出した」
正しい。
正解。1997年、タイのバーツ暴落を発端に短期資金が急激に流出して危機が近隣諸国へ波及し、IMFがタイ・インドネシア・韓国を支援した。

③「危機はブラジルなど南アメリカ諸国の通貨の暴落から始まった」
誤り。
誤答理由: アジア通貨危機の発端はタイであり、南米ではない。中南米の危機は1980年代の累積債務問題で、時期も地域も異なる。

④「各国は固定的な為替相場を最後まで維持することに成功した」
誤り。
誤答理由: 各国は投機的な売りに対して固定的な相場を維持できず、変動相場制へ追い込まれた。維持に成功したという記述は逆である。

覚えるポイント

  • 1997年、タイのバーツ暴落が発端
  • 短期資本の急流出で近隣諸国に連鎖
  • IMFが支援、融資条件への批判も

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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