PE7-058|公共・政治経済 対策問題
WTO(世界貿易機関)についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
1995年に発足した常設機関で、紛争処理では全加盟国が反対しない限り決定が成立するネガティブ・コンセンサス方式を導入し、GATTより機能を強化した
この問題のポイント
WTOの紛争処理の強化(ネガティブ・コンセンサス方式)と、ドーハ・ラウンド停滞という現状を問う問題。
解説
WTO(世界貿易機関)は、ウルグアイ・ラウンドの合意に基づき1995年に発足した。暫定的な協定にすぎなかったGATTと異なり、法人格を持つ常設の国際機関であり、モノに加えサービス・知的財産権まで扱う。
最大の強化点は紛争処理である。GATT時代は、当事国を含む全加盟国の賛成(コンセンサス)がなければ違反の認定ができず、敗訴しそうな国が阻止できた。WTOは逆に、全加盟国が反対しない限り決定が成立するというネガティブ・コンセンサス方式を導入し、事実上自動的に手続が進むようにした。違反国への対抗措置(報復関税)の承認も可能である。
一方、2001年開始のドーハ・ラウンド(ドーハ開発アジェンダ)は、農業などをめぐる先進国と途上国の対立で停滞し、包括合意に至っていない。このため各国はFTA・EPAなどの二国間・地域協定に軸足を移している。
ひっかけポイント
ネガティブ・コンセンサスを「全会一致が必要」と逆にするのが定番。ドーハ・ラウンドは妥結しておらず、その停滞がFTA・EPA拡大の背景である点も因果でつかむ。
選択肢の確認
①「WTOの紛争処理では、決定の成立に全加盟国の賛成が必要である」
❌ 誤り。
誤答理由: ネガティブ・コンセンサス方式では全加盟国の賛成は不要で、全加盟国が反対しない限り決定が成立する。要件が逆である。
②「2001年に始まったドーハ・ラウンドは、すでに全分野で最終合意に達した」
❌ 誤り。
誤答理由: ドーハ・ラウンドは先進国と途上国の対立で停滞しており、全分野の最終合意には達していない。
③「1995年に発足した常設機関で、紛争処理では全加盟国が反対しない限り決定が成立するネガティブ・コンセンサス方式を導入し、GATTより機能を強化した」
✅ 正しい。
正解。WTOは1995年発足の常設機関で、紛争処理に全加盟国が反対しない限り採択されるネガティブ・コンセンサス方式を導入して実効性を高めた。
④「WTOはGATTと並存する、法的拘束力のない非公式な会合である」
❌ 誤り。
誤答理由: WTOはGATTを発展的に解消して設立された法人格を持つ常設機関であり、拘束力のない非公式会合ではない。
覚えるポイント
- WTOは1995年発足の常設機関
- 紛争処理はネガティブ・コンセンサス方式で強化
- ドーハ・ラウンドは停滞、FTA・EPAが拡大
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。