PE9-099|公共・政治経済 対策問題
SNS上の偽情報(フェイクニュース)への対応をめぐる論点の整理として最も適切なものはどれか。
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正解: 4
正解
国家による削除規制の強化は表現の自由を脅かす恐れがあるため、事業者の対策やファクトチェック、メディアリテラシー教育との組合せが議論されている
この問題のポイント
偽情報対策と表現の自由の緊張関係を問う。規制の必要性と危険性の両面を踏まえた論点整理ができるかが核心。
解説
SNSの普及により、偽情報が選挙や災害時に急速に拡散し、世論をゆがめる問題が深刻化している。アルゴリズムが関心を引く情報を優先表示することや、同質の意見ばかりに囲まれるエコーチェンバー・フィルターバブルが拡散を増幅する。
しかし対策として国家の規制を強めることには、根本的な緊張がある。
- 表現の自由(憲法第21条)は民主政治の基盤であり、特に萎縮効果を生む検閲的な統制は許されない
- 「何が偽か」を国家が判定する仕組みは、政権に不都合な言論の抑圧に転用される危険がある
そこで、(1)プラットフォーム事業者による削除・表示の工夫と透明性の確保、(2)報道機関やNPOによるファクトチェック、(3)受け手のメディアリテラシー教育、という規制以外の手段との組合せが議論されている。自由と対策のバランスの構図を描けるかが問われる。
ひっかけポイント
「全面規制すべき」も「一切対応不要」も論点整理として不適切。規制の危険性を踏まえた多層的な対応という中間の構図が正解になる。
選択肢の確認
①「偽情報は民主政治に何の影響も与えないため、対応を議論する必要がない」
❌ 誤り。
誤答理由: 偽情報は選挙や災害対応をゆがめるなど民主政治への影響が現実に問題となっており、対応の議論は不要という前提が誤りである。
②「国家が全ての情報の真偽を判定して発信を許可制にすることに、何の問題もない」
❌ 誤り。
誤答理由: 国家が全情報の真偽を判定する許可制は検閲に類する統制であり、政権に不都合な言論の抑圧に転用される危険が大きい。
③「表現の自由は絶対無制約の権利なので、偽情報対策は一切考えられない」
❌ 誤り。
誤答理由: 表現の自由も公共の福祉による必要最小限の制約はあり得る。絶対無制約だから対策を考えられないという二分法は不適切である。
④「国家による削除規制の強化は表現の自由を脅かす恐れがあるため、事業者の対策やファクトチェック、メディアリテラシー教育との組合せが議論されている」
✅ 正しい。
正解。国家による削除規制の強化は表現の自由を脅かす恐れがあるため、事業者の対策、ファクトチェック、メディアリテラシー教育を組み合わせる多層的な対応が議論されている。
覚えるポイント
- 偽情報対策は表現の自由との緊張を伴う
- 国家による真偽判定の制度は濫用の危険
- 事業者対応・ファクトチェック・リテラシー教育の組合せ
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。