KZ-R8H-08|歴史総合・世界史探究 対策問題
同じパネルでは、朝鮮総督府の建物が朝鮮王朝の王宮であった景福宮の敷地内に新築されたことが示されている。この配置が持った意味として最も適切なものはどれか。

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正解: 4
正解
旧王朝の権威の場に支配機構を置くことで、日本の統治を視覚的に誇示した
この問題のポイント
朝鮮総督府庁舎が景福宮の敷地内に建てられた意味を問う問題。旧王朝の権威の場を支配機構が占めることで統治を視覚的に誇示した、という空間と権力の読みが核心。
解説
景福宮は、朝鮮王朝(李朝)の正宮であり、500年にわたる王権の象徴だった。日本はその敷地の正面に、巨大な石造の朝鮮総督府庁舎(1926年完成)を建設した。
王宮の正面をふさぐ配置は偶然ではない。旧王朝に代わって誰が支配者なのかを、都市の景観そのものによって毎日人々に見せつける効果を持った。
権力が建築と空間で自らを演出する例は、フランスのヴェルサイユ宮殿や北京の紫禁城など世界史に広くみられ、植民地支配もまた制度だけでなく空間と象徴によって貫徹されたのである。
なお総督府庁舎は解放後も政府庁舎などに使われたが、植民地支配の象徴として1995年以降解体された。歴史の記憶をめぐる戦後史の論点でもある。
ひっかけポイント
「文化財保護」「偶然の立地」という中立を装う選択肢に注意。配置の政治的意図を読み取らせるのが出題の狙いで、建設年(1926年)と併合(1910年)の順序も確認。
選択肢の確認
①「朝鮮王朝の政治を復活させるためだった」
❌ 誤り。
総督府は日本の植民地統治機関であり、朝鮮王朝の政治を復活させる目的とは正反対である。王宮の前面に庁舎を置くことは旧王朝の権威を覆い隠す配置だった。
②「王宮の保存を最優先した文化財保護策だった」
❌ 誤り。
王宮の敷地に巨大庁舎を建てる行為は景観と建物の一部を損なうもので、文化財保護とは言えない。保存目的なら宮殿の外に建てたはずである。
③「偶然の立地であり政治的な意味はない」
❌ 誤り。
首都の中枢である王宮に統治機関を置く立地は明確に政治的な選択であり、偶然ではない。空間の配置は権力の意思を表現する。
④「旧王朝の権威の場に支配機構を置くことで、日本の統治を視覚的に誇示した」
✅ 正しい。
正解。旧王朝の正宮である景福宮の敷地に総督府庁舎を新築したことは、支配の交替を都市景観で示す象徴的な行為だった。
覚えるポイント
- 朝鮮総督府庁舎は景福宮敷地内に1926年完成
- 空間と象徴による支配の誇示
- 1995年以降に解体、記憶をめぐる論点に
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。