KZ-R8H-09|歴史総合・世界史探究 対策問題
資料5・6は19世紀末の東アフリカの都市ブラヴァの法廷記録で、証人の宣誓やアッラーへの言及がみられる。この法廷が依拠していた法として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る
正解: 3
正解
イスラーム法(シャリーア)
この問題のポイント
19世紀末の東アフリカの法廷が依拠した法を問う問題。アッラーへの宣誓という文書中の定型句から、イスラーム法(シャリーア)に基づく裁判と特定する。
解説
シャリーア(イスラーム法)は、クルアーンと預言者ムハンマドの言行(スンナ)を法源とする法体系で、礼拝などの宗教儀礼から商取引・家族関係まで、ムスリムの生活全体を規律する。
裁判を担うのはカーディー(法官)である。資料の法廷記録に「アッラーに対して証言した」といった宣誓の定型句が現れるのは、この法廷がシャリーアに基づいて債務や売買を裁いていた証拠となる。
舞台のブラヴァを含む東アフリカ沿岸(スワヒリ海岸)は、8世紀ごろからムスリム商人のインド洋交易網に組み込まれ、モガディシュ・マリンディ・キルワなどの港市とともにイスラーム文明圏に属していた。
文書の形式や決まり文句から、その社会の法と宗教を特定する資料読解の型である。
ひっかけポイント
ローマ法大全(6世紀ビザンツ)・ナポレオン法典(1804年フランス)・御成敗式目(1232年鎌倉幕府)は地域も時代も異なる。スワヒリ海岸=イスラーム圏という対応が決め手。
選択肢の確認
①「ナポレオン法典」
❌ 誤り。
ナポレオン法典は1804年のフランス民法典であり、アッラーへの宣誓という宗教的手続きを持つ資料の内容と合わない。
②「御成敗式目」
❌ 誤り。
御成敗式目は1232年に北条泰時が定めた日本の武家法で、地域も時代も資料とまったく対応しない。
③「イスラーム法(シャリーア)」
✅ 正しい。
正解。アッラーへの宣誓や証人の承認という手続きは、カーディー(法官)がイスラーーム法に基づいて裁く法廷の定型である。
④「ローマ法大全」
❌ 誤り。
ローマ法大全は6世紀のビザンツ帝国でユスティニアヌス帝が編纂させた法典で、東アフリカのムスリム社会の法廷とは系統が異なる。
覚えるポイント
- シャリーアの法源はクルアーンとスンナ
- 裁判官はカーディー
- 東アフリカ沿岸はムスリム商人の交易でイスラーム化
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。