KZ-R8H-17|歴史総合・世界史探究 対策問題
資料5・6の舞台ブラヴァを含む東アフリカ沿岸では、交易を通じて独自の言語と文化が育った。その説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 4
正解
バントゥー系の言語にアラビア語の語彙が融合したスワヒリ語が、交易の共通語となった
この問題のポイント
東アフリカ沿岸で形成された言語・文化を問う問題。ムスリム商人との交易の中で、バントゥー系言語にアラビア語彙が融合したスワヒリ語が生まれたという文化接触の理解が核心。
解説
8世紀ごろから、ムスリム商人はダウ船で季節風を利用してインド洋を往来し、東アフリカ沿岸のモガディシュ・マリンディ・キルワ・ブラヴァなどの港市に来航した。
交易の場では、現地のバントゥー系の言語に、商業や宗教に関わるアラビア語の語彙が大量に取り入れられ、スワヒリ語が形成された。スワヒリとは、アラビア語で「海岸」を意味する語に由来する呼び名である。
スワヒリ語は港市をつなぐ共通語として発達し、アラビア文字による記録も作られた。資料5・6のような法廷文書が残っているのも、この文字文化の産物である。
沿岸にはイスラーム教を受け入れた商業都市が並び立ち、内陸のアフリカ社会と海のインド洋世界を結ぶスワヒリ文明が栄えた。スワヒリ語は現在も東アフリカ諸国の共通語として使われている。
ひっかけポイント
在来の言語が「置き換えられた」のではなく「融合した」点が核心。文化の消滅ではなく混成という変化の型は、資料読解で繰り返し問われる論点である。
選択肢の確認
①「ラテン語が行政と交易の共通語として使われた」
❌ 誤り。
ラテン語は地中海のローマ世界の言語で、インド洋交易圏の東アフリカ沿岸で行政・交易の共通語となった事実はない。
②「住民の言語はすべてトルコ語に置き換えられた」
❌ 誤り。
トルコ語への全面的な置き換えは起こっていない。在来の言語が消えたのではなく、アラビア語の語彙を取り込んで融合した点が特徴である。
③「文字を持たないため商業の記録は一切残されなかった」
❌ 誤り。
資料5・6のような法廷記録が現に残っているとおり、アラビア文字を用いた文書文化が発達しており、記録が一切ないという説明は資料と矛盾する。
④「バントゥー系の言語にアラビア語の語彙が融合したスワヒリ語が、交易の共通語となった」
✅ 正しい。
正解。ムスリム商人との交易の中で、バントゥー系の言語にアラビア語の語彙が融合したスワヒリ語が生まれ、東アフリカ沿岸の共通語となった。
覚えるポイント
- スワヒリ語はバントゥー系言語+アラビア語彙の融合
- ムスリム商人の季節風交易が形成の背景
- キルワ・マリンディなど港市がスワヒリ文明の拠点
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。