KZ-R8T-03|歴史総合・世界史探究 対策問題
グラフは英領インドにおける鉄道網と電信網の長さの推移(1855〜1920年)を示す。イギリスがインドで鉄道・電信を急速に整備した目的として適切でないものはどれか。

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正解: 1
正解
インド人の民族運動を支援するため
この問題のポイント
イギリスがインドで鉄道・電信を整備した目的として「適切でないもの」を選ぶ問題。植民地支配のためのインフラという本質を押さえれば、民族運動支援は即座に除外できる。
解説
イギリスは19世紀半ばから、植民地インドで鉄道と電信の建設を急速に進めた。その目的は次の3つに整理できる。
- 原料の搬出:内陸の綿花や茶を港へ運び、本国の工業を支える
- 軍事:インド大反乱(1857〜59年)の教訓から、反乱鎮圧のため軍隊を迅速に移動させる
- 行政・通信:広大な植民地の統治命令を速く伝える
つまり鉄道網は、インドの発展のためではなく支配と収奪のための装置として設計された。路線が内陸の産地と港を結ぶ形になっているのはそのためである。
もっとも歴史の皮肉として、鉄道と電信はのちに国民会議派などの民族運動が全国に広がる基盤にもなった。支配の道具が抵抗の道具に転じるという両義性が、探究型の論点である。
ひっかけポイント
「適切でないもの」を選ぶ形式に注意。また「結果的に民族運動に役立った」ことと「そのために建設した」ことは別で、目的と結果の区別が問われている。
選択肢の確認
①「インド人の民族運動を支援するため」
✅ 正答。記述としては誤り。
鉄道・電信は原料の搬出、軍隊の展開、行政通信という植民地支配の目的で整備されたもので、民族運動の支援は目的ではない。よってこれが適切でない選択肢である。
②「綿花などの原料を港へ輸送するため」
⭕ 記述としては正しい(選ばない)。
綿花などの原料を港へ運んで本国へ搬出することは鉄道敷設の中心的な目的であり、内容として適切である。
③「軍隊を迅速に移動させ支配を固めるため」
⭕ 記述としては正しい(選ばない)。
インド大反乱の教訓から軍隊を迅速に展開する必要が生じており、これも整備の目的として適切である。
④「本国との通信・行政連絡を速めるため」
⭕ 記述としては正しい(選ばない)。
本国や各地との行政連絡を速めることは電信網整備の主要な目的であり、内容として適切である。
覚えるポイント
- インドの鉄道・電信は原料搬出・軍事・行政のため
- インド大反乱(1857年)後に軍事目的が強まる
- 支配のインフラが後に民族運動の全国化にも寄与
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 否定形を明示:「誤り」を選ぶ問題なので、選択肢ごとに時期・主体・内容を照合し、正しい三つにも根拠を付けてから残る一つを選ぶ。