KZ-R8T-08歴史総合・世界史探究 対策問題

共通テスト図版チャレンジ令和8年度 追・再試験

グラフの初期にあたる1860年代、英領インドでは鉄道で港へ運ばれる綿花の輸出が急増した。その国際的背景として最も適切なものはどれか。

KZ-R8T-08の問題図版
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正解: 4

正解

南北戦争でアメリカ産綿花の供給が途絶え、イギリスがインド産綿花への依存を強めたから

この問題のポイント

1860年代にインド綿花の輸出が急増した背景を問う問題。アメリカ南北戦争による「綿花飢饉」と、供給地のインド・エジプトへの切り替えという世界市場の連動で説明する。

解説

19世紀半ばのイギリス綿工業は、原料綿花の大部分をアメリカ南部の奴隷制プランテーションに頼っていた。
ところが1861年、南北戦争が始まると、北軍による南部の海上封鎖で綿花の輸出が途絶する。ランカシャーの紡績業は「綿花飢饉」と呼ばれる深刻な原料不足に陥った。
イギリスは代わりの供給地をインドエジプトに求めた。インドでは内陸の綿作地帯から港へ綿花を運ぶ需要が高まり、建設中の鉄道がそれを支えた。グラフの1860年代の鉄道網の伸びは、この綿花輸出ブームと重なっている。
戦争が終わってアメリカ綿が市場に復帰すると価格は急落し、インドの綿作農民は打撃を受けた。一地域の戦争が地球の裏側の農村の暮らしを左右する、世界市場の一体化を示す典型例として問われる。

ひっかけポイント
因果の向きに注意。アメリカ綿の「途絶」がインド綿の需要を生んだのであり、増産・価格暴落なら逆の結果になる。スエズ運河の開通はそもそも1869年である。

選択肢の確認

①「アメリカ産綿花が増産され、世界の綿花価格が暴落したから」
誤り。
1860年代前半のアメリカ産綿花はむしろ供給が途絶しており、増産・価格暴落という説明は事実と逆である。

②「イギリス本国の綿工業が衰退し、原料需要が消滅したから」
誤り。
19世紀後半のイギリス綿工業は依然として世界最大級の規模を保っており、原料需要が消滅したという説明は成り立たない。

③「スエズ運河が閉鎖され、他地域からの輸送が全面的に止まったから」
誤り。
スエズ運河はそもそも1869年開通であり、1860年代前半に閉鎖されたという説明は年代からして成立しない。

④「南北戦争でアメリカ産綿花の供給が途絶え、イギリスがインド産綿花への依存を強めたから」
正しい。
正解。南北戦争(1861〜65年)では海上封鎖でアメリカ南部の綿花輸出が途絶し、イギリスは代替としてインド産綿花の輸入を急増させた。

覚えるポイント

  • 南北戦争(1861〜65年)で綿花飢饉が発生
  • 代替供給地はインド・エジプト
  • 鉄道が内陸の綿作地帯と港を結んだ

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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