RS2-028|歴史総合・世界史探究 対策問題
第一次世界大戦後に設立された国際労働機関(ILO)が示す時代の変化として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
労働問題が一国内の問題ではなく、国際的に取り組む課題と認識されるようになった
この問題のポイント
ILO設立の意味を問う問題。労働問題が国際的に取り組むべき課題と認識されるようになった、という総力戦後の変化で解ける。
解説
国際労働機関(ILO)は1919年、ヴェルサイユ条約に基づき、国際連盟と連携する機関として設立された。労働時間・最低年齢・女性労働などについて国際条約を作り、各国の労働条件の国際基準を定めることを任務とする。
設立の背景には2つの事情がある。第一に、総力戦を支えたのは労働者であり、その貢献が労働者の地位向上を国際的な約束にさせたこと。第二に、ロシア革命(1917年)の衝撃である。労働者の不満を放置すれば革命が広がるという危機感が、各国政府を労働改革へ向かわせた。
一国だけが労働条件を改善すればコスト面で不利になるため、国際的に足並みをそろえる必要があった、という論理も重要である。
日本も原加盟国となったが、国内では工場法の不備が残り、国際基準との落差が労働運動の争点となった。
ひっかけポイント
ILOは労働条件の国際機関であり、軍縮担当ではない。労働運動の禁止でも条件の完全統一でもなく、「国際基準づくり」という役割を正確に捉える。
選択肢の確認
①「各国の労働条件は完全に統一された」
❌ 誤り。
ILOは条約・勧告で基準を示すが、各国の批准と国内法整備には差があり、労働条件を直ちに完全統一していない。国際基準と実態を区別する。
②「ILOは軍縮を担当する機関である」
❌ 誤り。
軍縮・集団安全保障を主に扱ったのは国際連盟である。ILOは労働時間、児童労働、団結権など労働問題を担当する。
③「労働問題が一国内の問題ではなく、国際的に取り組む課題と認識されるようになった」
✅ 正しい。
ILOは1919年に設立され、政府・使用者・労働者の三者構成で労働時間などの国際基準を作った。総力戦後、労働条件が国境を越える課題と認識されたことを示す。
④「労働運動が世界的に禁止された」
❌ 誤り。
ILOは労働者の権利と労働条件の改善を目指す機関で、労働運動を世界的に禁止する組織ではない。結社の自由も主要な国際基準となる。
覚えるポイント
- ILOは1919年、ヴェルサイユ条約に基づき設立
- 総力戦への労働者の貢献とロシア革命の衝撃が背景
- 日本は原加盟国、国内の工場法との落差が争点に
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。