RS2-034|歴史総合・世界史探究 対策問題
1938年に近衛文麿内閣が発表した「東亜新秩序」声明の内容として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
日本・満州・中国の連携による新しい秩序の建設を唱え、戦争の長期化を正当化した
この問題のポイント
東亜新秩序声明を問う問題。日満華の連携による新秩序建設を唱えて日中戦争の長期化を正当化した、という声明の性格で解ける。
解説
1937年の盧溝橋事件から始まった日中戦争は、首都南京を占領しても終わらなかった。蒋介石の国民政府が重慶に移って抗戦を続けたからである。
近衛文麿内閣は1938年1月、「国民政府を対手とせず」と声明して交渉の道を自ら閉ざした(第1次近衛声明)。そして同年11月、「東亜新秩序」声明(第2次)を発表する。戦争の目的は日本・満州国・中華民国が連携する東アジアの新しい秩序の建設にある、と唱え、長期化した戦争を正当化するものだった。
これは、中国の主権尊重・門戸開放を定めた九カ国条約(ワシントン体制)への公然たる挑戦であり、米英との対立を決定的に深めた。
この構想は1940年、東南アジアまで含む「大東亜共栄圏」へ拡大され、南進政策と太平洋戦争のスローガンとなっていく。
ひっかけポイント
第1次声明(対手とせず・1938年1月)と第2次(東亜新秩序・同年11月)の順序に注意。撤兵・対米同盟・連盟復帰はいずれも事実と正反対である。
選択肢の確認
①「国際連盟への復帰を表明した」
❌ 誤り。
日本は1933年に国際連盟脱退を通告しており、1938年声明で復帰を表明していない。連盟体制から離脱する外交の延長にある。
②「日本・満州・中国の連携による新しい秩序の建設を唱え、戦争の長期化を正当化した」
✅ 正しい。
近衛内閣は1938年、日満華の連携による東亜新秩序建設を掲げ、日中戦争継続を正当化した。ワシントン体制に代わる日本主導秩序を主張した。
③「中国からの即時全面撤兵を宣言した」
❌ 誤り。
声明は中国からの撤兵でなく、占領と新政権工作を通じて戦争目的を拡大した。和平より長期戦を正当化する方向だった。
④「アメリカとの同盟強化を宣言した」
❌ 誤り。
東亜新秩序は欧米中心の国際秩序へ挑戦し、米英との対立を深めた。アメリカとの同盟強化を宣言したものではない。
覚えるポイント
- 東亜新秩序声明は1938年(近衛内閣)
- 日満華連携を唱え日中戦争長期化を正当化
- 1940年大東亜共栄圏構想へ拡大
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。