RS2-033|歴史総合・世界史探究 対策問題
世界恐慌期のソ連について述べた記述として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
五カ年計画による計画経済を進めており、恐慌の影響をほとんど受けなかった
この問題のポイント
世界恐慌期のソ連を問う問題。五カ年計画の計画経済により恐慌の影響をほとんど受けず成長を続けた、という資本主義国との対照で解ける。
解説
1929年からの世界恐慌は、市場経済で結ばれた資本主義諸国を連鎖的に襲い、アメリカの工業生産は半減、失業者は数千万人に達した。
ところがソ連はほぼ無傷だった。1928年からスターリンの下で第1次五カ年計画を開始しており、生産・価格・雇用を国家が決める計画経済は、世界市場の暴落と切り離されていたからである。恐慌のさなかにソ連は重工業建設を進め、工業生産を伸ばし続けた。
「危機の資本主義」対「成長する計画経済」という対照は世界に強い印象を与え、社会主義への関心を高めた。
ただし影の面も大きい。工業化の資金は農業集団化による穀物徴発で賄われ、ウクライナやカザフスタンで大飢饉の犠牲が出た。光と影の両面で捉えることが必要である。
ひっかけポイント
恐慌の発生源はアメリカ(ニューヨーク株式市場)でありソ連ではない。鉱工業生産指数のグラフで、各国が落ち込む中ソ連だけ上昇する形は定番の資料である。
選択肢の確認
①「恐慌で社会主義体制が崩壊した」
❌ 誤り。
社会主義体制は世界恐慌で崩壊せず、ソ連は工業生産を増加させた。ソ連解体は1991年で、恐慌から約60年後である。
②「ソ連は世界恐慌の発生源だった」
❌ 誤り。
世界恐慌の発端は1929年のニューヨーク株式市場暴落で、ソ連ではない。ソ連は国際市場から相対的に隔離されていた。
③「五カ年計画による計画経済を進めており、恐慌の影響をほとんど受けなかった」
✅ 正しい。
ソ連は1928年から五カ年計画と計画経済で急速な工業化を進め、世界市場との結び付きが弱かったため恐慌の直接的影響をほぼ受けなかった。資本主義国との対比で注目された。
④「資本主義国と同様に大量失業が発生した」
❌ 誤り。
資本主義国のような市場崩壊による大量失業は中心問題にならなかった。ただし強制的農業集団化、飢饉、労働統制という別の重大な犠牲があった。
覚えるポイント
- 第1次五カ年計画は1928年開始(スターリン)
- 計画経済ゆえ世界恐慌の影響をほぼ受けず
- 影の面は農業集団化と大飢饉
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。