WT-A1-02|歴史総合・世界史探究 対策問題
約1万年前の農耕・牧畜の開始が人類史の画期とされる理由として最も適切なものはどれか。
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正解: 4
正解
食料を生産・貯蔵できるようになり、定住と人口増加、社会の階層化が進んだから
この問題のポイント
農耕・牧畜の開始がなぜ人類史の画期なのかを問う問題。食料生産→定住・人口増加→階層化という因果の連鎖で説明できる。
解説
約1万年前、最終氷期が終わって地球の気候は温暖化した。この環境変化のなかで、西アジアの「肥沃な三日月地帯」などで、麦の栽培や羊・山羊の飼育、すなわち農耕・牧畜が始まった。
それまでの狩猟採集は、食料を求めて移動する暮らしであり、蓄えにも限りがあった。これに対し農耕・牧畜は、食料を生産し貯蔵することを可能にした。この転換は次のような連鎖を生んだ。
- 食料の安定確保→定住生活と人口増加
- 収穫の余剰の発生→蓄えの差による貧富の差
- 農具製作や祭祀などの分業→支配する者とされる者の階層化
やがて余剰と分業は都市の成立を支え、文明の誕生(前3000年ごろのメソポタミア・エジプトなど)へとつながっていく。この大転換は、狩猟採集から食料生産への革命という意味で食料生産革命(新石器革命)と呼ばれる。
ひっかけポイント
文字の発明は農耕開始と同時ではなく、数千年後(メソポタミアで前3000年ごろ)である点が定番の引っかけ。きっかけも寒冷化ではなく温暖化である。
選択肢の確認
①「狩猟採集より労働時間が必ず短くなったから」
❌ 誤り。
農耕は年間を通じた重労働を伴い、労働時間が必ず短くなったとはいえない。狩猟採集民の方が労働時間が短い場合も指摘されている。
②「農耕の開始と同時に文字が発明されたから」
❌ 誤り。
文字の発明はメソポタミアで前3000年ごろのことであり、農耕の開始より数千年あとである。
③「気候が寒冷化して食料が採れなくなったから」
❌ 誤り。
農耕が始まったのは最終氷期が終わって温暖化した約1万年前であり、寒冷化したからという説明は逆である。
④「食料を生産・貯蔵できるようになり、定住と人口増加、社会の階層化が進んだから」
✅ 正しい。
食料の生産と貯蔵が定住と人口増加を可能にし、余剰をめぐる貧富の差や分業・階層化を生んで、都市と文明への道を開いた。
覚えるポイント
- 農耕・牧畜の開始は約1万年前、温暖化が背景
- 西アジアの肥沃な三日月地帯が先進地域
- 食料生産革命→定住・人口増加・階層化→文明へ
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。