WT-A2-01|歴史総合・世界史探究 対策問題
砂糖の歴史を世界史として学ぶ視点として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
カリブ海のプランテーションと奴隷貿易、ヨーロッパの消費文化を結び付けて考える
この問題のポイント
砂糖という一つの商品から世界の結び付きを読み取る、グローバル商品史の視点を問う問題。生産地・労働力・消費地の連関が鍵。
解説
砂糖の原料であるサトウキビは、もともとアジア原産だが、大航海時代以降、ヨーロッパ諸国によってアメリカ大陸・カリブ海地域に持ち込まれた。
17〜18世紀、イギリスやフランスはカリブ海の植民地(ジャマイカ、サン=ドマングなど)にプランテーション(大農園)を築いた。そこで働かされたのは、大西洋奴隷貿易によってアフリカから強制的に連行された人々である。ヨーロッパの武器や雑貨をアフリカへ、奴隷をアメリカへ、砂糖をヨーロッパへ運ぶ三角貿易が成立した。
一方ヨーロッパでは、中国からの茶やアラビア起源のコーヒーに砂糖を入れて飲む習慣が広がり、砂糖は貴族のぜいたく品から大衆の日用品へと変わった。イギリスの労働者の紅茶にも砂糖は欠かせないものになった。
このように、一つの商品の生産・流通・消費をたどると、3つの大陸をまたぐ分業と支配の構造が見えてくる。これが「日常生活から見る世界史」というグローバル商品史の視点である。
ひっかけポイント
砂糖・茶・コーヒー・綿などの商品史では「生産地・労働力・消費地」の3点セットを崩した選択肢が出る。一国内で完結したとする説明は視点そのものの否定で誤り。
選択肢の確認
①「砂糖は一つの国の中だけで生産・消費されたと考える」
❌ 誤り。
砂糖は生産地と消費地が大陸をまたいで分かれた典型的な商品であり、一国内で完結したという前提が成り立たない。
②「砂糖の甘さの化学的性質だけを分析する」
❌ 誤り。
甘さの化学的性質の分析は自然科学の課題であり、社会や地域の結び付きを問う世界史の視点にはならない。
③「砂糖と歴史上の戦争は無関係だと考える」
❌ 誤り。
砂糖植民地の争奪はイギリスとフランスの戦争の重要な争点であり、戦争と無関係とはいえない。
④「カリブ海のプランテーションと奴隷貿易、ヨーロッパの消費文化を結び付けて考える」
✅ 正しい。
砂糖はカリブ海のプランテーションで奴隷労働により生産され、ヨーロッパの紅茶・コーヒー文化と結び付いて大衆消費品となった。生産地・労働力・消費地を結ぶ視点が有効である。
覚えるポイント
- 砂糖はカリブ海プランテーションで奴隷労働により生産
- 大西洋三角貿易=武器・奴隷・砂糖の循環
- ヨーロッパの紅茶・コーヒー文化と結び付き大衆消費品化
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。