WT9-S07|歴史総合・世界史探究 対策問題
「探究」の手法として、ある生徒が「砂糖の世界史」を調べる計画を立てた。最も適切な進め方はどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
生産地・流通・消費の資料を集め、地域と時代を結び付けて構造的に考察する
この問題のポイント
モノから世界史を探究する方法を問う。生産・流通・消費の3局面の資料を集め、地域と時代を結び付けるという型が核心。
解説
前提として、砂糖・コーヒー・綿のようなグローバル商品の歴史は、一つの国の中だけでは完結せず、世界の諸地域のつながりの中で初めて理解できる。
砂糖を例にとると、3つの局面がある。
- 生産:カリブ海のプランテーションと、そこで働かされたアフリカ出身の奴隷
- 流通:ヨーロッパ・アフリカ・アメリカを結ぶ大西洋三角貿易
- 消費:イギリスの労働者の砂糖入り紅茶という生活文化
この3局面の資料を集め、地域間のつながりと時代による変化を構造的に考察するのが正しい探究の進め方である。
化学式の暗記、単一国の資料、年号暗記だけでは、甘い嗜好品の裏に奴隷制があったという構造は見えてこない。生産・流通・消費の3点セットは、どの商品史にも応用できる型として覚えておきたい。
ひっかけポイント
単一の資料・単一の地域・暗記のみで完結させる選択肢はすべて探究の作法に反する。生産・流通・消費を結ぶ構造的考察という型を選べるかが問われる。
選択肢の確認
①「年号の暗記のみを目的とする」
❌ 誤り。
年号の暗記だけでは生産と消費を結ぶ構造の理解に至らず、探究の目的に合わない。
②「生産地・流通・消費の資料を集め、地域と時代を結び付けて構造的に考察する」
✅ 正しい。
生産(カリブ海のプランテーションと奴隷労働)、流通(大西洋三角貿易)、消費(ヨーロッパの茶と砂糖の文化)の資料を集め、地域間のつながりと時代による変化を構造的に捉える方法が有効である。
③「砂糖の化学式の暗記だけで完結させる」
❌ 誤り。
化学式の暗記は自然科学の知識であって、歴史的なつながりの考察にはつながらない。
④「一つの国の資料だけで結論を出す」
❌ 誤り。
砂糖は複数の大陸を結ぶ商品であり、一つの国の資料だけでは全体像を見誤る。
覚えるポイント
- 商品史は生産・流通・消費の3局面で考察
- 砂糖=カリブの奴隷制プランテーションと三角貿易
- 地域間のつながりと時代変化を構造的に見る
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。