WT2-C04歴史総合・世界史探究 対策問題

世界史探究C 諸地域の交流・再編(2) 結び付くユーラシアと諸地域

十字軍運動の影響として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

東方との交易が拡大し、イタリアの港市が繁栄した

この問題のポイント

十字軍運動の影響を問う問題。「聖地確保は失敗、交易拡大とイタリア港市の繁栄という副産物」という評価の構図で解ける。

解説

11世紀、セルジューク朝が聖地イェルサレムを支配しビザンツ帝国を圧迫すると、ビザンツ皇帝は西方に救援を求めた。教皇ウルバヌス2世1095年クレルモン宗教会議で聖地回復の遠征を提唱し、翌年から約200年にわたる十字軍が始まった。

第1回十字軍はイェルサレム王国を建てたが、やがてアイユーブ朝のサラディンに聖地を奪回され、その後の遠征も失敗を重ねた。第4回十字軍(1204年)に至っては、ヴェネツィアの主導で同じキリスト教国のコンスタンティノープルを占領するという逸脱まで起こした。結局、聖地の恒久的な確保という目的は失敗に終わった。

しかし副産物は大きかった。東方との接触で地中海交易が拡大し、ヴェネツィア・ジェノヴァなどのイタリア港市が繁栄した。これがのちのルネサンスの経済的土台となる。

国内では、遠征失敗で教皇の権威は衰え、諸侯・騎士が没落する一方、王権が伸長して中央集権化への道が開かれた。「目的は失敗、副産物が歴史を動かした」という構図が核心である。

ひっかけポイント
「聖地の恒久確保に成功」「教皇の権威が高まり続けた」は、いずれも結果を逆にした典型的な誤り選択肢。第4回十字軍のコンスタンティノープル占領(1204年)も正誤の材料として頻出。

選択肢の確認

①「聖地の恒久的な確保に成功した」
誤り。
十字軍は一時イェルサレム王国を建てたが恒久的な確保には失敗し、聖地は最終的にイスラーム側に戻った。

②「教皇の権威が最後まで高まり続けた」
誤り。
遠征の失敗が重なって教皇の権威はむしろ衰え、諸侯・騎士の没落と王権の伸長が進んだ。

③「ビザンツ帝国との関係が一貫して良好になった」
誤り。
第4回十字軍はコンスタンティノープルを占領してラテン帝国を建てており、ビザンツ帝国との関係は良好ではなかった。

④「東方との交易が拡大し、イタリアの港市が繁栄した」
正しい。
十字軍を通じた東方との接触は地中海交易を活発にし、ヴェネツィアやジェノヴァなどイタリア港市の繁栄をもたらした。

覚えるポイント

  • 十字軍は1095年クレルモン宗教会議での提唱が発端
  • 聖地確保は失敗、教皇権威は低下し王権が伸長
  • 副産物として地中海交易拡大、ヴェネツィア・ジェノヴァが繁栄

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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