WT4-A09歴史総合・世界史探究 対策問題

世界史探究D 諸地域の結合・変容(3) 帝国主義とナショナリズムの高揚

洋務運動の基本方針を表す「中体西用」の意味として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

中国の伝統的な体制を保ちつつ、西洋の技術を利用する

この問題のポイント

洋務運動の基本方針である中体西用の意味を問う問題。「中国の体制は維持し、西洋の技術だけを利用する」という限定的な近代化がポイント。

解説

太平天国の鎮圧で力を示した曽国藩・李鴻章ら漢人官僚は、1860年代から西洋の軍事技術を導入する洋務運動を進めた。兵器工場・造船所・汽船会社・電信・紡績工場などが次々と設立された。

その基本方針が「中体西用」である。中国の伝統的な学問・儒教的な政治体制を本体(体)として堅持し、西洋の技術は道具(用)として利用する、という意味である。つまり皇帝専制や科挙といった体制そのものには手をつけず、軍艦や大砲だけを取り入れる近代化だった。

この限界は、日清戦争(1894〜95年)の敗北で誰の目にも明らかになった。政治制度ごと改革した日本の明治維新に対し、技術の上乗せにとどまった洋務運動では対抗できなかったのである。

敗戦の衝撃から、康有為らは制度改革をめざす変法運動へ進み、それも挫折すると孫文らの革命運動が本格化する。

  • 改革の深化: 洋務運動(技術)→変法運動(制度)→革命(王朝打倒)

ひっかけポイント
「中体西用」を「西洋の制度まで全面採用」と読み替える選択肢が定番の引っかけ。制度改革に踏み込むのは戊戌の変法からであり、洋務運動は技術導入にとどまった点を区別する。

選択肢の確認

①「西洋の宗教を国教とする」
誤り。
洋務運動は軍需工場や汽船会社などの技術導入が中心であり、西洋の宗教を国教とすることを目指してはいない。

②「中国と西洋の融合国家を作る」
誤り。
中体西用は中国の体制を本体として保つ考えであり、中国と西洋を融合した新しい国家の建設を掲げたわけではない。

③「中国の伝統的な体制を保ちつつ、西洋の技術を利用する」
正しい。
中体西用は、中国の学問・体制を本体としつつ西洋の技術を用具として使うという洋務運動の方針である。

④「中国の体制を捨てて西洋の制度を全面採用する」
誤り。
政治制度の改革まで求めたのは日清戦争後の変法運動であり、洋務運動は制度改革を避けた点に限界があった。

覚えるポイント

  • 中体西用=中国の体制を保ち、西洋の技術のみ利用
  • 洋務運動の担い手は曽国藩・李鴻章ら漢人官僚
  • 日清戦争敗北(1895年)で洋務運動の限界が露呈

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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