WT2-C05|歴史総合・世界史探究 対策問題
14世紀のヨーロッパで流行した黒死病(ペスト)の影響として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
人口が激減して労働力が不足し、農民の地位が向上して荘園制の解体が進んだ
この問題のポイント
黒死病がヨーロッパ社会に与えた影響を問う問題。「人口激減→労働力不足→農民の地位向上→荘園制解体」という経済の因果連鎖を押さえていれば解ける。
解説
**黒死病(ペスト)**は、14世紀半ばにモンゴル帝国が整えたユーラシアの交易網を通じて西方へ伝わったとされる感染症である。1348年頃からヨーロッパ全土で大流行し、人口の約3分の1が失われたとされる。
ここからが本題の因果である。人が激減すると、農作業を担う労働力が極端に不足した。生き残った農民は「よそへ移る」と言えるだけの交渉力を持ち、領主は賃金の引き上げや地代の引き下げなど待遇改善を迫られた。こうして農民の地位が向上し、荘園制・農奴制の解体が西ヨーロッパで加速した。
一方、領主が再び農民を締め付けようとすると激しい反発が起こり、フランスのジャックリーの乱(1358年)やイギリスのワット・タイラーの乱(1381年)といった大規模な農民反乱が発生した。
- 流れの整理: 黒死病流行 → 人口激減 → 労働力不足 → 農民の地位向上 → 荘園制の解体
ひっかけポイント
「疫病で社会が混乱→農奴制が強化された」と逆に結ぶ誤答に注意。西欧では解体が進んだが、東欧ではのちに農奴制が強化される(農場領主制)という東西の対比も引っかけに使われる。
選択肢の確認
①「農奴制がいっそう強化されて固定した」
❌ 誤り。
領主が農民を締め付ける動きもあったが、それに対してジャックリーの乱などの反乱が起こり、農奴制はむしろ解体へ向かった。
②「ヨーロッパの人口には影響がなかった」
❌ 誤り。
人口の約3分の1が失われたとされており、影響がなかったという説明は成り立たない。
③「人口が激減して労働力が不足し、農民の地位が向上して荘園制の解体が進んだ」
✅ 正しい。
黒死病はヨーロッパの人口の約3分の1を奪ったとされ、労働力の不足が農民の地位を高めて荘園制・農奴制の解体を加速させた。
④「人口が急増して都市が拡大した」
❌ 誤り。
黒死病は人口を激減させた疫病であり、人口が急増して都市が拡大したという説明は正反対である。
覚えるポイント
- 黒死病の大流行は14世紀半ば(1348年頃)、人口の約3分の1が死亡とされる
- 労働力不足→農民の地位向上→西欧で荘園制・農奴制の解体が進む
- ジャックリーの乱は1358年(仏)、ワット・タイラーの乱は1381年(英)
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。