WT9-E15|歴史総合・世界史探究 対策問題
19世紀後半の世界的な農産物価格の下落(大不況)がヨーロッパ農業に与えた影響として正しいものはどれか。
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正解: 1
正解
アメリカ・ロシア産の安価な穀物の流入で農業不況となり、保護関税や移民増加を招いた
この問題のポイント
19世紀後半の農業大不況を問う。輸送革命による安価な穀物の流入→農業不況→保護関税と移民増加という連鎖が核心。
解説
前提として、19世紀後半、大陸横断鉄道と蒸気船による輸送革命で穀物の長距離輸送費が激減し、世界の農産物市場が一体化した。
1870年代から、広大な農地を持つアメリカ・ロシア産の安価な穀物がヨーロッパへ大量流入。穀物価格は長期に下落し、ヨーロッパ農業は深刻な不況に陥った(大不況の一側面)。
各国の対応が分かれた。
- ドイツ・フランスなど:保護関税へ転換し、自由貿易の時代が終わる
- 農村の困窮した人々:新大陸への移民が急増
この保護主義への転換は、市場と原料を植民地に求める帝国主義の経済的背景となった。輸送革命→市場の一体化→価格の世界的連動という、グローバル化の帰結を示す事例としてグラフ問題でも問われる。
ひっかけポイント
価格は下落であり高騰ではない。自由貿易(19世紀半ば)から保護主義(世紀末)への転換が帝国主義の背景という因果の流れが最頻出。
選択肢の確認
①「アメリカ・ロシア産の安価な穀物の流入で農業不況となり、保護関税や移民増加を招いた」
✅ 正しい。
大陸横断鉄道と蒸気船による輸送革命で1870年代からアメリカ・ロシア産の安価な穀物が流入し、農産物価格の長期下落が起きた。独仏などは保護関税へ転じ、農村の困窮は新大陸への移民を加速させた。
②「穀物価格は高騰し続けた」
❌ 誤り。
この時期の農産物価格は長期的に下落しており、高騰し続けたという説明は事実に反する。
③「ヨーロッパの農業人口が急増した」
❌ 誤り。
農村の困窮で人口は都市や新大陸へ流出しており、農業人口はむしろ減少した。
④「農産物の国際取引が消滅した」
❌ 誤り。
輸送革命により農産物の国際取引はむしろ拡大しており、消滅していない。
覚えるポイント
- 1870年代から米・露産の安価な穀物が欧州へ流入
- 農業不況→独仏は保護関税へ転換
- 農村の困窮が新大陸への移民を加速
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。