WT8-A14|歴史総合・世界史探究 対策問題
1077年の「カノッサの屈辱」が示す中世ヨーロッパの権力関係として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
聖職叙任権をめぐり、教皇権が皇帝権に対して優位を示した
この問題のポイント
カノッサの屈辱の意味を問う。聖職叙任権闘争で教皇権が皇帝権に優位を示した象徴的事件という理解で解ける。
解説
前提として、中世ヨーロッパでは、聖職者を任命する権利(聖職叙任権)を教会と世俗君主のどちらが持つかをめぐる対立が続いていた。
教会改革を進める教皇グレゴリウス7世が世俗権力による叙任を禁じると、神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世が反発し、教皇は皇帝を破門した。
破門により諸侯の離反を恐れた皇帝は、1077年、北イタリアのカノッサ城門前で雪の中3日間立ち尽くし、教皇に赦しを乞うた。これがカノッサの屈辱であり、教皇権の皇帝権に対する優位を示す象徴となった。
教皇権は13世紀初めのインノケンティウス3世のとき「教皇は太陽、皇帝は月」と称される絶頂を迎えるが、十字軍の失敗などを経て、1303年のアナーニ事件で失墜へ向かう。
ひっかけポイント
カノッサ(1077年・教皇優位)とアナーニ事件(1303年・教皇権失墜)の対をなす2事件の入れ替えが定番のひっかけ。
選択肢の確認
①「国王が農民に謝罪した事件である」
❌ 誤り。
屈したのは神聖ローマ皇帝であり、農民への謝罪ではない。
②「イスラーム勢力への降伏を意味する」
❌ 誤り。
対立は教皇と皇帝というキリスト教世界の内部のものであり、イスラーム勢力への降伏ではない。
③「聖職叙任権をめぐり、教皇権が皇帝権に対して優位を示した」
✅ 正しい。
聖職叙任権をめぐって教皇グレゴリウス7世と対立した神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世が、破門を解いてもらうためカノッサ城門前で赦しを乞うた事件であり、教皇権の優位を象徴する。
④「皇帝が教皇を廃位して教会を支配した」
❌ 誤り。
皇帝が教皇に屈した事件であり、逆である。教皇権が失墜するのは1303年のアナーニ事件以降である。
覚えるポイント
- カノッサの屈辱は1077年、グレゴリウス7世対ハインリヒ4世
- 争点は聖職叙任権
- 絶頂はインノケンティウス3世、失墜はアナーニ事件(1303年)
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。