WT2-B14|歴史総合・世界史探究 対策問題
中世西ヨーロッパの封建社会について述べた文として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
主君と家臣が土地を仲立ちに双務的な契約で結ばれ、荘園では農奴が労働した
この問題のポイント
中世西ヨーロッパの封建社会の特徴を問う問題。「双務的契約による主従関係」と「荘園の農奴制」の2本柱で解ける。
解説
ノルマン人やマジャール人の侵入が続いた9〜10世紀の西ヨーロッパでは、人々は自衛のため有力者との保護関係を求めた。ここから成立したのが封建制である。
主君は家臣に封土(領地)を与えて保護し、家臣は主君に軍役などの奉仕を誓う。この関係は、一方が義務を果たさなければ相手も義務を免れる双務的契約であり、家臣が複数の主君をもつことも珍しくなかった。この点で、主君への一方的な忠誠を求める中国や日本の主従関係と対比される。国王も大諸侯の一人にすぎず、王権は弱く地方分権的だった。
経済の基盤は荘園である。領主直営地と農民保有地からなり、農奴と呼ばれる農民が耕作した。農奴は奴隷とは異なり家族や住居を持てたが、移動の自由がなく、賦役(労働)・貢納(生産物)のほか、結婚税・死亡税を課され、領主裁判権に服した。
11世紀以降に商業が復活し都市が自治権を得ていく変化とは、時期を分けて整理することが大切である。
ひっかけポイント
「双務的契約」(西欧)と一方的忠誠(中国・日本の主従関係)の対比が問われる。中央集権体制という選択肢は、王権が弱かった封建社会の特徴と正反対である。
選択肢の確認
①「皇帝がすべての土地を直接支配する中央集権体制だった」
❌ 誤り。
中世西ヨーロッパは王権が弱く地方分権的であり、皇帝が全土を直接支配する中央集権とは正反対である。
②「農民には移動と職業選択の完全な自由があった」
❌ 誤り。
荘園の農奴は移動の自由を持たず、賦役や貢納のほか結婚税・死亡税なども課された。
③「商業と貨幣経済が消滅することはなかったため、都市が政治の中心であり続けた」
❌ 誤り。
中世前期には商業と貨幣経済が大きく後退しており、都市が政治の中心であり続けたとはいえない。商業の復活と都市の自治は11世紀以降である。
④「主君と家臣が土地を仲立ちに双務的な契約で結ばれ、荘園では農奴が労働した」
✅ 正しい。
中世西ヨーロッパの封建制は封土と軍役を交換する双務的契約の網の目であり、経済の基盤である荘園では農奴が賦役と貢納を負った。
覚えるポイント
- 封建制は封土を仲立ちとする双務的契約、王権は弱い
- 荘園では農奴が賦役・貢納、結婚税・死亡税を負担
- 農奴は移動の自由なし(奴隷とは区別される)
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。