RN6-022公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(2) 科学革命と合理論・経験論

デカルトが『情念論』で説いた高邁の精神の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 2

正解

自由意志によって情念に流されず、情念を主体的に統御しようとする気高い心のあり方である

この問題のポイント

デカルトの道徳論における最高の徳、高邁の精神を問う問題。情念の根絶ではなく、意志による統御である点がポイント。

解説

デカルトは晩年の著作『情念論』で、身体と結びついて生じる驚き・愛・憎しみ・喜び・悲しみ・欲望などの情念を分析した。
情念そのものは人間に自然に備わるものであり、悪ではない。問題は情念に受動的に流されることである。デカルトは、自由意志の力によって情念を適切に判断し、主体的に統御する気高い心のあり方を高邁(こうまい)の精神と呼び、これを最高の徳とした。
高邁の精神をもつ人は、自分の自由意志を正しく用いようとする決意を持ち、自他の人格を尊重することができる。方法的懐疑によって理性の自律を打ち立てたデカルトが、道徳の領域でも意志の自律を重んじたことを示す概念であり、近代的な主体のあり方を象徴している。
理性による情念の統御という主題は、古代以来の伝統を自由意志という近代的な原理によって受け継ぎ直したものといえる。

ひっかけポイント
高邁の精神は情念の「根絶」ではなく「統御」である。情念を全面否定する禁欲主義と混同させる選択肢に注意する。

選択肢の確認

①「神への愛によってのみ情念は克服されるとする信仰中心の教えである」
誤り。
誤答理由: 高邁の精神は信仰ではなく自由意志の正しい使用に基づく徳であり、神への愛によってのみ情念が克服されるという教えではない。

②「自由意志によって情念に流されず、情念を主体的に統御しようとする気高い心のあり方である」
正しい。
正解。高邁の精神とは、自由意志によって情念に流されず、情念を主体的に統御しようとする気高い心のあり方であり、デカルトは最高の徳とした。

③「情念は人間に害しか与えないので、完全に根絶やしにすべきだとする教えである」
誤り。
誤答理由: デカルトは情念そのものを害悪として根絶せよと説いたのではない。情念は自然なものであり、問題はそれに受動的に流されることである。

④「情念の命じるままに素直に生きることが最高の徳だとする教えである」
誤り。
誤答理由: 情念のままに生きることは高邁の精神と正反対の、意志の統御を欠いた受動的な状態である。

覚えるポイント

  • デカルト『情念論』=情念の分析と統御
  • 高邁の精神=自由意志で情念を統御する最高の徳
  • 理性と意志の自律という近代的主体像の表れ

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

RN6-021RN6-023