RN7-010公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(1) 古代日本の思想と仏教受容

平安時代中期以降に広まった末法思想の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

釈迦の死後、正法・像法の時代を経て、教えのみが残り修行も悟りも成り立たない末法の世が来るとされ、1052年がその初年と信じられた

この問題のポイント

正法・像法・末法という三時の枠組みと、1052年末法初年説が浄土信仰流行の背景になったことを問う問題。

解説

末法思想は、釈迦の入滅後、時代が下るにつれて仏の教えが衰えていくという仏教の歴史観である。教え・修行・悟りの三つがそろう正法、教えと修行は残るが悟る者がいない像法を経て、末法の世には教えのみが残り、正しい修行も悟りも成り立たなくなるとされた。
日本では1052年(永承7年)が末法の初年にあたると信じられ、当時の戦乱や災害、疫病の続発がこの意識を強めた。
末法の世では自力の修行による救いは望めないという危機感から、阿弥陀仏の力にすがって死後に
極楽浄土
への往生を願う**浄土信仰(浄土教)**が貴族から庶民まで急速に広まった。藤原頼通が建てた平等院鳳凰堂はその代表的遺産であり、この末法意識はのちの法然・親鸞ら鎌倉仏教の前提となった。

ひっかけポイント
末法は仏法が衰える時代のことで、世界の物理的終末(終末論)ではない。また自力修行が困難になるからこそ他力の浄土信仰が広まった、という因果を逆にする選択肢に注意。

選択肢の確認

①「末法とは地震や洪水によって世界そのものが物理的に消滅することを意味した」
誤り。
誤答理由: 末法は仏法が衰える時代のことであり、世界そのものが物理的に消滅する終末論ではない。

②「末法の世には自力での修行がかえって容易になると考えられ、山岳修行が盛んになった」
誤り。
誤答理由: 末法の世には正しい修行も悟りも成り立たないとされたのであり、自力修行が容易になるという理解は正反対である。

③「末法思想は鎌倉時代に日蓮によって初めて日本に紹介された」
誤り。
誤答理由: 末法思想は平安時代中期にはすでに広まっており、浄土信仰流行の背景となった。鎌倉時代の日蓮による紹介ではない。

④「釈迦の死後、正法・像法の時代を経て、教えのみが残り修行も悟りも成り立たない末法の世が来るとされ、1052年がその初年と信じられた」
正しい。
正解。正法・像法を経て教えのみが残る末法の世が来るとされ、日本では1052年が末法初年と信じられて浄土信仰が広まった。

覚えるポイント

  • 正法・像法・末法の三時観
  • 1052年が末法初年とされた
  • 末法意識が浄土信仰流行の背景

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

RN7-009RN7-011