RN7-032|公共・倫理 対策問題
日本陽明学の祖とされる中江藤樹の思想の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
孝を単なる親孝行を超えた万物を貫く根本原理ととらえ、時・処・位に応じてそれを実践すべきだと説いた
この問題のポイント
中江藤樹の孝の思想の普遍性と、時・処・位に応じた実践という特徴を問う問題。
解説
中江藤樹(1608〜48年)は、はじめ朱子学を学んだが、その形式主義に飽き足らず、やがて明の王陽明の学問(陽明学)に傾倒し、日本陽明学の祖とされる。
藤樹が根本に据えたのが孝である。孝は親子の間の道徳にとどまらず、あらゆる人間関係、さらには万物を成り立たせる宇宙の根本原理であり、人を愛し敬う愛敬として日常に実践されるべきものとした。
また道徳の実践は画一的な形式に従うのではなく、時(とき)・処(ところ)・位(身分・立場)に応じて最もふさわしいあり方を選ぶべきだと説いた。武士だけでなく農民や商人にも道徳の主体たることを認め、近江の郷里で庶民の教化に努めたため、近江聖人と敬われた。主著に**『翁問答』**がある。
ひっかけポイント
上下定分の理は林羅山、古文辞学は荻生徂徠、もののあはれは本居宣長であり、学派をまたぐ入れ替えが定番。藤樹は「孝・愛敬・時処位・近江聖人」のセットで覚える。
選択肢の確認
①「上下定分の理を説いて、幕府の身分秩序を思想的に正当化した」
❌ 誤り。
誤答理由: 上下定分の理で身分秩序を正当化したのは林羅山であり、藤樹の思想ではない。
②「古文辞学の方法によって、六経に記された先王の道を明らかにしようとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 古文辞学によって先王の道を求めたのは荻生徂徠であり、陽明学に傾倒した藤樹とは学派が異なる。
③「もののあはれを知ることこそ文芸の本質であると説いた」
❌ 誤り。
誤答理由: もののあはれの文学論は本居宣長の説であり、江戸初期の儒学者藤樹の思想ではない。
④「孝を単なる親孝行を超えた万物を貫く根本原理ととらえ、時・処・位に応じてそれを実践すべきだと説いた」
✅ 正しい。
正解。中江藤樹は孝を万物を貫く根本原理と捉え、時・処・位に応じて愛敬として実践すべきだと説いた近江聖人である。
覚えるポイント
- 中江藤樹=日本陽明学の祖・近江聖人
- 孝を万物の根本原理とし愛敬として実践
- 時・処・位に応じた道徳の実践を重視
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。