RN7-056公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(4) 近現代日本の思想

中江兆民が『三酔人経綸問答』などで示した恩賜的民権と恢復的民権の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

恩賜的民権は上から与えられた民権、恢復的民権は人民が自ら勝ち取った民権であり、兆民は恩賜的民権を実質において育て恢復的民権に近づけることを説いた

この問題のポイント

二つの民権の定義と、恩賜的民権を育てるという兆民の現実的な戦略を問う問題。

解説

中江兆民は、民権に二つの種類を区別した。
恢復的(回復的)民権とは、イギリスやフランスのように、人民が下から進んで自ら勝ち取った民権である。一方恩賜的民権とは、明治日本のように、為政者が上から恵み与えた民権である。
兆民は、日本の民権が恩賜的であるという現実を直視した上で、これを卑下する必要はないとした。与えられた民権であっても、人民が知識を高め実質を充実させて大切に育てていけば、やがて恢復的民権と変わらないものに成長させることができる、と説いたのである(『三酔人経綸問答』)。
同書では、民主平和路線を語る洋学紳士、対外侵略を語る豪傑君に対し、南海先生が漸進的な立憲政治の道を語るという構成で、明治日本の進路が論じられている。

ひっかけポイント
恩賜(与えられた)と恢復(勝ち取った)の定義の入れ替えが最頻出。兆民の結論は即時革命ではなく、恩賜的民権を漸進的に育てる道である点も判別点。

選択肢の確認

①「兆民はいかなる民権も日本には不要であると論じた」
誤り。
誤答理由: 兆民は民権の拡充を生涯の課題とした民権思想家であり、民権不要論は立場と正反対である。

②「恩賜的民権は上から与えられた民権、恢復的民権は人民が自ら勝ち取った民権であり、兆民は恩賜的民権を実質において育て恢復的民権に近づけることを説いた」
正しい。
正解。恩賜的民権は上から与えられた民権、恢復的民権は自ら勝ち取った民権であり、兆民は前者を育てて実質化する道を説いた。

③「恩賜的民権は人民が勝ち取った民権、恢復的民権は君主から与えられた民権を指す」
誤り。
誤答理由: 定義が逆である。恩賜は「与えられた」、恢復は「取り戻し勝ち取った」の意で、それぞれ明治日本と英仏の民権に対応する。

④「兆民は恩賜的民権を直ちに放棄し、武力革命によって政府を打倒することのみを主張した」
誤り。
誤答理由: 兆民の結論は武力革命ではなく、与えられた民権を人民が漸進的に育てて恢復的民権に近づける現実的な道である。

覚えるポイント

  • 恢復的民権=下から勝ち取った民権
  • 恩賜的民権=上から与えられた民権
  • 恩賜的民権を育てて実質化する漸進路線

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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