KZ-R7HB-08|地理総合・地理探究 対策問題
図が題材とする経済発展と産業構造の変化に関する知識として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る
正解: 3
正解
経済が発展するにつれて産業の中心は第1次産業から第2次・第3次産業へと移り、先進国ではサービス業など第3次産業の割合が高くなる
この問題のポイント
産業構造の高度化(ペティ・クラークの法則)の内容と、シンガポールの経済発展の道筋を問う。
解説
産業は、農林水産業などの第1次産業、鉱工業・建設業などの第2次産業、商業・サービス業などの第3次産業に分けられる。
経済の発展に伴い、就業人口やGDPに占める比重が第1次産業から第2次産業へ、さらに第3次産業へと移っていく。この経験則をペティ・クラークの法則という。農業の生産性が上がって労働力が工業へ移り、所得の上昇とともにサービスへの需要が増えるためである。先進国ではGDPの7割前後を第3次産業が占めるのが一般的である。
シンガポールは、マラッカ海峡の要衝という位置をいかした中継貿易で発展し、その後は外国資本を導入した工業化を経て、現在は国際金融センターとして東南アジアの経済の中枢を担う。韓国・台湾・ホンコンとともにアジアNIEsと呼ばれた新興工業経済地域の代表例であり、農業にほとんど依存しない産業構造はこの発展の歴史の産物である。
ひっかけポイント
発展とともに第1次産業の割合が「上がる」とする逆の記述に注意。割合の低下は農業の衰退ではなく、他産業の成長による相対的な変化である。
選択肢の確認
①「シンガポールは農産物の輸出に依存するモノカルチャー経済の国である」
❌ 誤り。
誤答理由: シンガポールは農業をほとんど持たず、中継貿易から金融・ハイテクへ発展した都市国家である。モノカルチャー経済の説明は当てはまらない。
②「産業別の構成比は、その国の経済発展の水準とは無関係に決まる」
❌ 誤り。
誤答理由: 産業別構成比は経済発展の段階を強く反映する。無関係という記述は、この図の判別問題が成立すること自体と矛盾する。
③「経済が発展するにつれて産業の中心は第1次産業から第2次・第3次産業へと移り、先進国ではサービス業など第3次産業の割合が高くなる」
✅ 正しい。
正解。ペティ・クラークの法則のとおり、経済発展に伴い産業の重心は第1次から第2次・第3次へ移り、先進国では第3次産業がGDPの7割前後を占める。
④「経済が発展するほど、GDPに占める第1次産業の割合は上昇していく」
❌ 誤り。
誤答理由: 経済発展とともに第1次産業の割合は低下していく。上昇するという記述は法則の方向が逆である。
覚えるポイント
- ペティ・クラークの法則: 発展とともに産業の重心は1次→2次→3次へ
- 先進国はGDPの約7割が第3次産業
- シンガポールは中継貿易→工業化→金融センターと発展したアジアNIEs
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。