KZ-R7HB-10|地理総合・地理探究 対策問題
図が題材とする人口転換に関する知識として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る
正解: 2
正解
多産多死の状態から死亡率だけが先に低下する多産少死の段階に入ると人口は急増し、現在のサハラ以南アフリカの多くの国がこの局面にある
この問題のポイント
人口転換の段階(多産多死→多産少死→少産少死)の順序と、各段階に対応する地域を問う。
解説
人口転換は、社会の近代化に伴って人口動態が多産多死から多産少死を経て少産少死へ移行する過程をいう。
伝統的な社会では出生率も死亡率も高く、人口はあまり増えない(多産多死)。ここに医療・衛生・栄養の改善が及ぶと、まず死亡率が急速に低下する。しかし出生率は、価値観や社会の仕組みと結び付いているためすぐには下がらない。この多産少死の段階で出生率と死亡率の差が開き、人口爆発と呼ばれる急増が起こる。
やがて教育の普及、女性の社会進出、都市化が進むと出生率も低下し、少産少死で人口増加は落ち着く。ヨーロッパや日本はこの段階を過ぎ、少子高齢化に直面している。
現在のサハラ以南アフリカの多くの国は多産少死の局面にあり、タンザニアの乳幼児死亡率の急低下と緩やかな出生率低下という組合せは、その典型例である。
ひっかけポイント
低下の順序は「死亡率が先、出生率が後」。この順序を逆にした記述が定番の誤りで、順序の差こそが人口爆発の原因である。
選択肢の確認
①「乳幼児死亡率の低下は、人口の増減にはまったく影響しない」
❌ 誤り。
誤答理由: 乳幼児死亡率の低下は生存する子どもの数を増やし、人口増加を加速させる主要な要因である。無関係ではない。
②「多産多死の状態から死亡率だけが先に低下する多産少死の段階に入ると人口は急増し、現在のサハラ以南アフリカの多くの国がこの局面にある」
✅ 正しい。
正解。医療・衛生の改善で死亡率が先に下がる多産少死の段階では人口が急増する。サハラ以南アフリカの多くの国が現在この局面にある。
③「人口転換では出生率が先に低下し、死亡率はその後に低下する」
❌ 誤り。
誤答理由: 順序が逆である。人口転換ではまず死亡率が低下し、出生率の低下は価値観や社会の変化を伴うため遅れて進む。
④「タンザニアなどのアフリカ諸国では少産少死への転換が完了し、人口は減少している」
❌ 誤り。
誤答理由: タンザニアなどサハラ以南アフリカの多くは出生率がなお高く、人口は増加を続けている。少産少死で減少という段階には達していない。
覚えるポイント
- 人口転換は多産多死→多産少死→少産少死
- 死亡率低下が先行する段階で人口爆発が起こる
- サハラ以南アフリカは多産少死、日本・欧州は少産少死の後の段階
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。