KZ-R8T-11|地理総合・地理探究 対策問題
図が示すような発展途上国の都市化に関する知識として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る
正解: 2
正解
発展途上国では農村から都市への人口流入が急速に進み、スラムの形成や住宅・インフラの不足などの都市問題が生じている
この問題のポイント
発展途上国の急速な都市化がもたらす都市問題の知識を問う。人口流入の要因と受け皿不足という構図が核心。
解説
発展途上国の都市化は、都市の雇用機会や高い所得に引き寄せられる吸引要因と、農村の貧困や土地不足に押し出される押し出し要因の両方によって進む。
先進国の都市化が産業革命以降ゆっくり進んだのに対し、途上国では経済発展の速度を上回る勢いで人口が都市に流入するため、住宅・上下水道・道路などのインフラ整備が追いつかない。その結果、都市の周縁部などにスラムと呼ばれる過密な不良住宅地区が形成され、衛生環境の悪化や、路上でのインフォーマルセクター(露天商など公式の統計に表れにくい仕事)への依存が広がる。
交通渋滞や大気汚染、ごみ処理問題も深刻である。一方、都市化が成熟した先進国や中国の一部では、農村側の過疎化・高齢化が並行して進む。
都市化は経済成長の表れであると同時に、その速度が問題の深刻さを決めるという視点が重要である。
ひっかけポイント
「途上国の都市問題=スラム・インフラ不足」「先進国の都市問題=インナーシティ問題など」という対応を混同させる出題が多い。
選択肢の確認
①「都市化が進んだ国では、農村部の人口減少や過疎化が起こることはない」
❌ 誤り。
誤答理由: 都市化の進行は農村からの人口流出を意味し、農村側では過疎化・高齢化が並行して進むことが多い。起こらないという断定は誤り。
②「発展途上国では農村から都市への人口流入が急速に進み、スラムの形成や住宅・インフラの不足などの都市問題が生じている」
✅ 正しい。
正解。途上国では都市への人口流入の速度にインフラ整備が追いつかず、スラムの形成や住宅・上下水道の不足などの都市問題が生じている。
③「都市人口率は、どの時代でも先進国より発展途上国の方が高い」
❌ 誤り。
誤答理由: 都市人口率は歴史的に先進国の方が高く推移してきた。途上国が常に高いという比較は逆である。
④「サウジアラビアなど産油国の都市人口率は、農業国よりも総じて低い」
❌ 誤り。
誤答理由: サウジアラビアなど湾岸産油国の都市人口率は80%超と極めて高い。産油国=低いという先入観を突く誤答である。
覚えるポイント
- 途上国の都市化は流入速度が速くインフラが追いつかない
- スラムの形成とインフォーマルセクターの拡大が特徴
- 吸引要因と押し出し要因の両面で人口移動を捉える
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。