TK4-050|地理総合・地理探究 対策問題
繊維・衣服工業の立地移動についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
労働集約的な工業のため安価な労働力を求めて移転が進み、中国からバングラデシュやベトナムなどへ生産が広がった
この問題のポイント
労働力指向型工業の代表である繊維・衣服工業の国際的な立地移動の論理を問う。
解説
繊維・衣服工業、特に縫製部門は機械化が難しく多くの人手を要する労働集約的な工業であり、製造費に占める人件費の割合が高い。このため、賃金の安い国・地域を求めて生産拠点が移動し続けるのが最大の特徴である。
産業革命期のイギリス(ランカシャー地方の綿工業)に始まり、20世紀には日本→韓国・台湾→中国へと移った。中国は「世界の工場」として衣服輸出の中心となったが、経済成長で賃金が上昇すると、より労賃の安いバングラデシュ・ベトナム・カンボジア・ミャンマーなどへ生産が広がった。バングラデシュは衣服輸出で世界有数の地位にあり、縫製業が輸出の大部分を占める。
一方、低賃金労働への依存は、労働環境の悪化や児童労働という問題と隣り合わせであり、2013年のバングラデシュの縫製工場ビル崩落事故を機に、国際的な労働環境の改善やエシカル消費への関心が高まった。
ひっかけポイント
繊維=労働力指向、先端技術=研究開発指向という対比で、研究都市立地と混同させる選択肢が定番。賃金上昇→次の低賃金国へ、という移動の連鎖を押さえる。
選択肢の確認
①「巨額の研究開発費を要するため、先進国の研究都市でしか生産できない」
❌ 誤り。
誤答理由: 巨額の研究開発費と研究都市立地は先端技術産業の特徴で、労賃を求めて移動する繊維・衣服工業とは立地原理が異なる。
②「衣服の縫製は完全に自動化されており、労働力の質や賃金は立地に影響しない」
❌ 誤り。
誤答理由: 縫製は現在も機械化が難しく人手に頼る工程が多いため、賃金水準が立地を強く左右する。
③「世界の衣服生産は現在もイギリスのランカシャー地方に集中している」
❌ 誤り。
誤答理由: ランカシャー地方は産業革命期の綿工業の中心で、現在の世界の衣服生産はアジアの低賃金国に移っている。
④「労働集約的な工業のため安価な労働力を求めて移転が進み、中国からバングラデシュやベトナムなどへ生産が広がった」
✅ 正しい。
正解。縫製を中心とする衣服工業は労働集約的で人件費の比重が高く、賃金上昇のたびに中国からバングラデシュ・ベトナムなどへ生産が移ってきた。
覚えるポイント
- 縫製は労働集約的で安価な労働力を求めて移転
- 日本→韓国・台湾→中国→バングラデシュなどへの連鎖
- 労働環境や児童労働の問題がエシカル消費の背景
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。