TK7-060地理総合・地理探究 対策問題

地理探究B 現代世界の地誌的考察(2) 現代世界の諸地域

乾燥地域の灌漑農業で生じる塩害について述べた文として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

過剰な灌漑を行うと、水の蒸発に伴って塩類が地表に集積する塩害が生じ、農地が失われることがある

この問題のポイント

乾燥地域の塩害の仕組み(灌漑と蒸発による塩類集積)を因果で説明できるかを問う。

解説

塩害(塩類集積)は、乾燥地域の灌漑農地で起こる土壌の劣化である。仕組みは次のとおりである。
過剰な灌漑によって地下水位が上がると、水分は
毛細管現象
で地表近くまで上昇する。乾燥地域では蒸発が激しいため、水だけが蒸発し、水に溶けていた塩類が地表に残されて集積していく。塩分の濃くなった土壌では作物が育たなくなり、農地の放棄につながる。
塩害は、メソポタミアのティグリス・ユーフラテス川流域で古代から知られ、現代でも中央アジアの綿花地帯、パキスタンのインダス川流域、オーストラリアの小麦地帯など、乾燥地の灌漑農業地域で広くみられる。
対策には、排水路の整備、点滴灌漑などの節水技術、耐塩性作物の導入があるが、根本には「乾燥地で水を使いすぎる」ことがあるため、持続可能な水管理が問われる。

ひっかけポイント
塩害は乾燥地域の灌漑地で起こる現象で、多雨の熱帯では塩類は流されて集積しにくい。「灌漑を増やせば解消」は因果を逆にした誤り。

選択肢の確認

①「塩害は降水量の多い熱帯雨林地域で最も深刻に生じる現象である」
誤り。
誤答理由: 多雨の熱帯では塩類は雨で流されるため集積しにくい。塩害は蒸発の激しい乾燥地域の現象である。

②「灌漑の水量を増やせば増やすほど、塩害は必ず解消される」
誤り。
誤答理由: 灌漑を増やすことはむしろ地下水位を上げて塩害を悪化させうる。水管理の改善こそが対策である。

③「塩害は海水の逆流だけが原因であり、灌漑とはまったく関係がない」
誤り。
誤答理由: 内陸の乾燥地の塩害は灌漑と蒸発によるものであり、海水の逆流だけが原因という記述は誤りである。

④「過剰な灌漑を行うと、水の蒸発に伴って塩類が地表に集積する塩害が生じ、農地が失われることがある」
正しい。
正解。乾燥地の過剰灌漑では、毛細管現象で上昇した水分が蒸発する際に塩類が地表に集積し、塩害が生じる。

覚えるポイント

  • 塩害は蒸発の激しい乾燥地の過剰灌漑で発生
  • 毛細管現象で上昇した水分の蒸発により塩類が地表に集積
  • メソポタミア・中央アジア・インダス流域が代表例

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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