TK9-070地理総合・地理探究 対策問題

地理総合A 地図や地理情報システムで捉える現代世界(1) 地図・GISと現代世界

同じ地域の古い地形図と新しい地形図を比較する読図問題での考察として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

かつて水田や湿地だった低地が住宅地に変わった場所は、洪水や液状化のリスクを検討する必要がある

この問題のポイント

新旧地形図の比較という共通テスト頻出形式の考察の型を問う。過去の土地条件から現在の災害リスクを推論する思考が軸である。

解説

新旧の地形図比較は、都市化の過程土地の履歴に潜む災害リスクを読み取らせる、共通テストで最も好まれる形式の一つである。
宅地開発は平坦で入手しやすい土地から進むため、高度経済成長期以降、後背湿地や水田、埋立地が大規模に住宅地化された。しかし土地を造成しても、低くて水がたまりやすい、地盤が軟弱で水分を多く含むといった土地本来の性質は変わらない。そのため、

  • 旧図で水田・湿地・旧河道→ 現在は住宅地:浸水・液状化のリスクを検討
  • 旧図でため池や谷を埋めた造成地:地震時の地盤沈下・崩壊に注意
    という推論が考察の定石になる。東日本大震災の液状化被害が旧水田・埋立地に集中した事例は、この考え方の裏付けとしてよく引かれる。
    古い地形図は現在の災害リスクを知る貴重な資料であり、地理院地図では過去の空中写真や旧版地図との比較が可能である。

ひっかけポイント
「今は住宅地だから安全」という見た目の判断を突く。土地の履歴は造成後も残る、が新旧比較問題の核心である。

選択肢の確認

①「かつて水田や湿地だった低地が住宅地に変わった場所は、洪水や液状化のリスクを検討する必要がある」
正しい。
正解。宅地造成しても土地本来の低さや軟弱さは変わらないため、旧図で水田・湿地だった住宅地は浸水・液状化のリスクを検討する必要がある。

②「新しい地図で住宅地になっている場所は、過去の土地の状態にかかわらず災害リスクがないと判断できる」
誤り。
誤答理由: 現在の土地利用だけでは災害リスクは判断できない。旧水田の宅地で液状化被害が集中した実例があり、安全と断定する根拠にならない。

③「古い地形図は不正確なので、新旧比較から得られる情報はない」
誤り。
誤答理由: 古い地形図は当時の土地の状態を示す貴重な資料であり、新旧比較こそが土地の履歴と災害リスクを知る有力な方法である。

④「土地利用の変化は人口とは無関係に生じるため、都市化の考察には使えない」
誤り。
誤答理由: 土地利用の変化は人口増加や都市化と密接に結び付いており、新旧比較は都市化の考察にそのまま使える。

覚えるポイント

  • 旧水田・湿地の住宅地は浸水・液状化リスク
  • 土地本来の低さ・軟弱さは造成では消えない
  • 新旧比較は都市化と災害リスクを読む定番形式

共通テスト攻略

  • 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
  • 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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