KZ-R7HB-06|公共・政治経済 対策問題
図が示す期間の日本の貿易をめぐる出来事に関する知識として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る
正解: 1
正解
1985年のプラザ合意ではドル高を是正する国際協調が合意され、その後の急速な円高を背景に日本企業はアジアへの生産移転を進めた
この問題のポイント
プラザ合意の内容と方向、日米貿易摩擦の構図、中国のWTO加盟時期という、図の期間の重要な出来事を問う。
解説
1980年代前半、アメリカは高金利によるドル高で輸出競争力を失い、巨額の貿易赤字を抱えていた。1985年、先進5か国の財務相・中央銀行総裁会議(G5)はドル高を是正するための協調介入に合意した。これがプラザ合意である。
合意後、円相場は1ドル240円前後から急速な円高へ進み、日本の輸出産業は打撃を受けて円高不況に陥った。企業はコスト削減のためアジアNIESやASEAN、中国へ生産拠点を移転し、現地への部品輸出や逆輸入が増えて、図のようなアジア向け輸出割合の上昇につながった。
日米貿易摩擦は、繊維から鉄鋼・カラーテレビ・自動車・半導体へと品目を広げながら、日本の輸出超過(アメリカ側の赤字)をめぐって激化したものであり、日本の輸入超過ではない。
また中国のWTO加盟は2001年であり、1970年代ではない。
ひっかけポイント
プラザ合意の向き(ドル高是正=円高誘導)を逆にする選択肢が最頻出。貿易摩擦の原因が日本の輸出超過である点も混同しやすい。
選択肢の確認
①「1985年のプラザ合意ではドル高を是正する国際協調が合意され、その後の急速な円高を背景に日本企業はアジアへの生産移転を進めた」
✅ 正しい。
正解。プラザ合意(1985年)はドル高是正の国際協調であり、以後の急速な円高を背景に日本企業はアジアへの生産移転を進めた。
②「プラザ合意は、行き過ぎた円高を是正してドル高に誘導するための合意であった」
❌ 誤り。
プラザ合意はドル高の是正(円高方向への誘導)であり、円高是正・ドル高誘導という記述は向きが逆である。
③「1980年代の日米貿易摩擦は、日本の大幅な輸入超過をめぐって激化した」
❌ 誤り。
日米貿易摩擦は日本の輸出超過(アメリカ側の赤字)をめぐるものであり、日本の輸入超過ではない。
④「中国がWTOに加盟したのは、1970年代のことである」
❌ 誤り。
中国のWTO加盟は2001年であり、1970年代ではない。
覚えるポイント
- プラザ合意(1985年)はドル高是正の国際協調
- 円高不況を機に日本企業はアジアへ生産移転
- 日米摩擦は日本の輸出超過が原因、中国WTO加盟は2001年
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。