PE2-B04|公共・政治経済 対策問題
憲法9条と自衛隊をめぐる政府の見解や判例についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
政府は、自衛隊は自衛のための必要最小限度の実力であり、憲法9条が禁じる戦力にはあたらないと説明している
この問題のポイント
9条をめぐる政府解釈と判例を問う問題。「政府見解=必要最小限度の実力」「最高裁は明確な憲法判断を回避(統治行為論)」という構図で解ける。
解説
憲法9条は、1項で戦争の放棄、2項で戦力の不保持と交戦権の否認を定める。交戦権は「認めない」のであって、認めているのではない。
1950年の朝鮮戦争を機に警察予備隊が作られ、保安隊を経て1954年に自衛隊が発足した。政府は一貫して、主権国家には自衛権があり、自衛隊は「自衛のための必要最小限度の実力」であって9条2項の禁じる「戦力」にはあたらない、と説明してきた。
裁判所の判断はどうか。砂川事件(1959年最高裁)は日米安全保障条約について、高度に政治的な問題は司法審査になじまないとする統治行為論の考え方により、明確な違憲判断を避けた。自衛隊については、長沼ナイキ訴訟の第一審が違憲としたが、上級審で覆り、最高裁が自衛隊を違憲と判断したことはない。
なお2014年の閣議決定と2015年の安全保障関連法により、集団的自衛権の限定的な行使が容認されるという解釈変更が行われ、大きな論争となった。
ひっかけポイント
「最高裁が自衛隊・安保条約を違憲とした」は誤りで、統治行為論などにより憲法判断を回避してきた。交戦権は否認されている点の逆転にも注意。
選択肢の確認
①「憲法9条は、国の交戦権を明文で認めている」
❌ 誤り。
誤答理由: 9条1項は戦争放棄、2項は戦力不保持とともに「国の交戦権は、これを認めない」と明記しており、記述は条文と正反対である。
②「最高裁判所は、砂川事件で日米安全保障条約を明確に違憲と判断した」
❌ 誤り。
誤答理由: 砂川事件で最高裁は、高度に政治性のある問題は司法審査になじまないとする統治行為論により憲法判断を回避した。違憲と判断してはいない。
③「政府は、自衛隊は自衛のための必要最小限度の実力であり、憲法9条が禁じる戦力にはあたらないと説明している」
✅ 正しい。
正解。政府見解は、主権国家には固有の自衛権があり、自衛のための必要最小限度の実力である自衛隊は9条2項の「戦力」にあたらないとする。
④「最高裁判所は、自衛隊を憲法違反であると明確に判断している」
❌ 誤り。
誤答理由: 最高裁が自衛隊を明確に違憲と判断したことはない。長沼ナイキ訴訟の第一審が違憲としたが、上級審で判断は回避された。
覚えるポイント
- 政府見解=自衛隊は必要最小限度の実力で戦力に非ず
- 砂川事件は統治行為論で憲法判断を回避
- 最高裁による自衛隊違憲判断は存在しない
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。