PE2-B06|公共・政治経済 対策問題
政教分離をめぐる判例についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正解
最高裁は愛媛玉串料訴訟で、県が神社に玉串料を公金から支出したことを政教分離原則に反し違憲と判断した
この問題のポイント
政教分離の判例を問う問題。「津地鎮祭=合憲」「愛媛玉串料=違憲」という結論の対比と、目的効果基準の枠組みがわかれば解ける。
解説
憲法20条は信教の自由を保障するとともに、国家と宗教を切り離す政教分離の原則を定め、89条は宗教団体への公金支出を禁じる。戦前、国家神道が軍国主義と結び付き信教の自由が抑圧された反省に基づく制度であり、信教の自由を制度面から支える保障である。
判例は、問題の行為の目的が宗教的意義をもつか、その効果が宗教への援助・助長または圧迫・干渉になるか、で判断する目的効果基準を用いてきた。
- 津地鎮祭訴訟(1977年最高裁):市が体育館の起工にあたり神式の地鎮祭を公費で行った事件。慣習化した世俗的儀礼であり、目的・効果からみて合憲とした
- 愛媛玉串料訴訟(1997年最高裁):県が靖国神社などに玉串料を公金から支出した事件。世俗的儀礼とはいえず、特定の宗教への援助にあたるとして違憲とした
その後も空知太神社訴訟(2010年)で、市有地を神社に無償提供していたことが違憲とされている。
ひっかけポイント
津地鎮祭(合憲)と愛媛玉串料(違憲)の結論の入れ替えが最頻出。どちらも目的効果基準を使いながら結論が分かれた点が出題の核心である。
選択肢の確認
①「最高裁は愛媛玉串料訴訟で、県が神社に玉串料を公金から支出したことを政教分離原則に反し違憲と判断した」
✅ 正しい。
正解。愛媛玉串料訴訟(1997年)で最高裁は、県による玉串料の公金支出を目的効果基準に照らして宗教的活動にあたるとし、政教分離違反の違憲判断を示した。
②「最高裁は津地鎮祭訴訟で、市が主催した地鎮祭を宗教的活動にあたり違憲と判断した」
❌ 誤り。
誤答理由: 津地鎮祭訴訟(1977年)で最高裁は、地鎮祭は世俗的な慣習であり目的効果基準に照らして合憲と判断した。違憲としたのは愛媛玉串料訴訟である。
③「政教分離の原則は、信教の自由の保障とは無関係の制度である」
❌ 誤り。
誤答理由: 政教分離は信教の自由(20条)を制度面から裏づける原則であり、国家と宗教の分離により信教の自由の保障を確実にするものである。
④「愛媛玉串料訴訟で、最高裁は公金支出を合憲と判断した」
❌ 誤り。
誤答理由: 愛媛玉串料訴訟の結論は違憲であり、合憲とする記述は逆である。合憲判断が出たのは津地鎮祭訴訟。
覚えるポイント
- 政教分離は信教の自由を支える制度的保障
- 津地鎮祭訴訟(1977年)=合憲、目的効果基準
- 愛媛玉串料訴訟(1997年)=違憲判断
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。