PE7-062|公共・政治経済 対策問題
単一通貨ユーロについての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
金融政策はヨーロッパ中央銀行(ECB)が一元的に担う一方、財政政策は各国に委ねられており、ギリシャ財政危機ではこの仕組みの矛盾が表面化した
この問題のポイント
ユーロ圏の構造的特徴である「金融政策は共通・財政政策は各国」の非対称性と、ギリシャ危機との因果を問う問題。
解説
ユーロは1999年に決済用通貨として導入され、2002年から現金の流通が始まった。両替コストの消滅や価格の比較可能性など市場統合を完成させる効果を持つが、EU全加盟国が導入しているわけではない。デンマークなどは自国通貨を維持し、スウェーデンやポーランドなども未導入である。
ユーロ圏の金融政策(政策金利の決定など)は、ヨーロッパ中央銀行(ECB)が一元的に担い、各国の中央銀行は独自の金融政策を行えない。一方、財政政策(歳出・課税)は各国の主権に残されている。
この非対称性の矛盾を露呈させたのが、2009年に始まるギリシャ財政危機である。財政赤字の粉飾が発覚してギリシャ国債が暴落し、危機はユーロ圏全体に波及した(ユーロ危機)。ギリシャは通貨切り下げという調整手段を持たず、EU・IMFの支援と引き換えに厳しい緊縮政策を受け入れた。
ひっかけポイント
「金融政策は共通・財政政策は各国」の組合せを逆にする選択肢が定番。全加盟国導入ではない点(デンマークなど)も頻出の細部。
選択肢の確認
①「ユーロはEUの全加盟国が導入している」
❌ 誤り。
誤答理由: デンマークなど自国通貨を維持する加盟国があり、EU全加盟国がユーロを導入しているわけではない。
②「ユーロ導入国は、それぞれの中央銀行が独自の金融政策を自由に行うことができる」
❌ 誤り。
誤答理由: ユーロ導入国は独自の金融政策を行えない。政策金利の決定などはECBに一元化されている。
③「ユーロ導入国の財政政策は、EUがすべて一元的に決定している」
❌ 誤り。
誤答理由: 財政政策(歳出・課税)は基本的に各国の権限として残っている。財政まで完全に一元化されていないことが危機の背景となった。
④「金融政策はヨーロッパ中央銀行(ECB)が一元的に担う一方、財政政策は各国に委ねられており、ギリシャ財政危機ではこの仕組みの矛盾が表面化した」
✅ 正しい。
正解。ユーロ圏の金融政策はECBが一元的に担う一方、財政政策は各国に残る。この非対称性がギリシャ財政危機で矛盾として表面化した。
覚えるポイント
- ユーロは1999年導入、現金流通は2002年
- 金融政策はECBに一元化、財政政策は各国
- ギリシャ危機で通貨統合の構造的矛盾が露呈
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。