PE7-075公共・政治経済 対策問題

政治・経済D 国際経済(4) 発展途上国と地球的課題

開発の度合いを測る指標についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

人間開発指数(HDI)は所得だけでなく保健(平均寿命)や教育も反映した指標で、センの潜在能力の考え方を背景としている

この問題のポイント

GDPに代わる開発指標としてのHDIの構成要素と、その理論的背景であるセンの潜在能力アプローチを問う問題。

解説

開発の度合いは長くGDPや一人あたり所得で測られてきたが、所得だけでは人々の生活の質はとらえられない。
インド出身の経済学者アマルティア・セン(ノーベル経済学賞受賞)は、開発の目的は所得の増加そのものではなく、人が「なりたい自分になり、したい生き方を選べる」ための潜在能力(ケイパビリティ)を広げることだと論じた。教育を受けられること、健康に生きられることこそが発展の中身だという考え方である。
この思想を反映してUNDP(国連開発計画)が1990年から発表しているのが人間開発指数(HDI)である。保健(平均寿命)、教育(就学・教育年数)、所得(一人あたりGNI)の三側面を合成した指標で、所得は高くてもHDIが相対的に低い国があるなど、GDPとは異なる開発の姿を映し出す。
貧困を単なる低所得ではなく「選択肢の剥奪」とみるこの見方は、人間の安全保障やSDGsの理念にも通じている。

ひっかけポイント
HDIは「所得のみ」ではなく保健・教育・所得の三側面。発表主体はUNDPであり安保理ではない。センの思想とHDIの結び付きが探究型の頻出論点。

選択肢の確認

①「人間開発指数(HDI)は、一人あたりGDPのみによって算出される」
誤り。
誤答理由: HDIは一人あたりGDP(GNI)だけでなく、平均寿命と教育も反映する。所得のみの指標という記述はGDP基準との混同である。

②「アマルティア・センは、軍事力の増強こそが開発の目的だと主張した」
誤り。
誤答理由: センは人々の選択の幅(潜在能力)の拡大こそ開発の目的だと論じた。軍事力の増強を開発の目的とする主張はしていない。

③「人間開発指数(HDI)は、国連安全保障理事会が毎年発表している」
誤り。
誤答理由: HDIを発表しているのはUNDP(国連開発計画)であり、安全保障理事会ではない。

④「人間開発指数(HDI)は所得だけでなく保健(平均寿命)や教育も反映した指標で、センの潜在能力の考え方を背景としている」
正しい。
正解。HDIは保健(平均寿命)・教育・所得の三側面を合成した指標で、センの潜在能力(ケイパビリティ)の考え方を背景にUNDPが発表している。

覚えるポイント

  • HDIは保健・教育・所得の三側面の合成指標
  • UNDPが1990年から発表
  • 背景はセンの潜在能力(ケイパビリティ)論

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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