PE9-092|公共・政治経済 対策問題
巨大デジタル・プラットフォーム企業に対する規制が必要とされる理由として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
利用者が増えるほどサービスの価値が高まるネットワーク効果により市場の独占・寡占が生じやすく、競争の維持や取引の公正のための規制が求められるから
この問題のポイント
デジタル市場特有の独占のメカニズムを問う。ネットワーク効果と勝者総取りの論理を、伝統的な独占禁止政策と接続できるかが核心。
解説
検索・SNS・ネット通販などのプラットフォームには、ネットワーク効果(利用者が多いほどそのサービスの価値が上がる性質)が働く。
- 利用者が集まるほど便利になり、さらに利用者が集まる → 勝者総取りの独占・寡占が生じやすい
- 蓄積されたデータが参入障壁となり、新規参入が困難になる
- 出店者や広告主に対して、取引条件の一方的変更などの優越的地位の濫用が起こり得る
このため各国は競争政策で対応している。EUはデジタル市場法で巨大事業者を指定して事前規制を課し、日本もデジタルプラットフォーム取引透明化法(2020年成立)で取引条件の開示などを義務付けた。独占禁止法の運用強化も進む。
市場の競争を守る伝統的な独占禁止政策(日本では公正取引委員会が担当)の現代版という位置付けで整理するとよい。
ひっかけポイント
「デジタル市場は参入自由だから独占は生じない」とする選択肢が定番の誤り。ネットワーク効果とデータの集中が新しい独占を生む。
選択肢の確認
①「プラットフォーム企業は全て国有企業だから」
❌ 誤り。
誤答理由: 主要なプラットフォーム企業は民間企業であり、国有企業だから規制するという理由付けは事実に反する。
②「デジタル市場には規模の大きい企業が存在しないから」
❌ 誤り。
誤答理由: デジタル市場には世界的な巨大企業が現に存在し、その市場支配力こそが規制論の出発点である。
③「利用者が増えるほどサービスの価値が高まるネットワーク効果により市場の独占・寡占が生じやすく、競争の維持や取引の公正のための規制が求められるから」
✅ 正しい。
正解。利用者が増えるほど価値が高まるネットワーク効果により、プラットフォーム市場では勝者総取りの独占・寡占が生じやすく、競争維持と取引の公正のための規制が求められる。
④「デジタル市場では独占や寡占が原理的に発生し得ないから」
❌ 誤り。
誤答理由: ネットワーク効果とデータの集中はむしろ独占を生みやすい構造であり、独占が原理的に発生しないという記述は逆である。
覚えるポイント
- ネットワーク効果が勝者総取りの独占を生む
- EUのデジタル市場法、日本の取引透明化法で対応
- 伝統的な独占禁止政策の現代的展開と捉える
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。