KZ-R8H-05|歴史総合・世界史探究 対策問題
グラフはカザフスタンの農村人口と都市人口の推移(1926〜1939年)を示し、1930年代前半に農村人口が激減している。その主な原因として適切なものはどれか。

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正解: 3
正解
ソ連の農業集団化の強行に伴う飢饉と遊牧民の生活破壊
この問題のポイント
1930年代前半にカザフスタンの農村人口が激減した原因を問う問題。スターリンの農業集団化が遊牧社会を破壊し、大飢饉を招いたという知識で解ける。
解説
ソ連のスターリンは1928年から第1次五カ年計画を開始し、重工業化と並行して農業の集団化を強行した。農民は集団農場(コルホーズ)への参加を強制され、家畜や穀物は供出させられた。
遊牧民の多いカザフスタンでは、この政策は遊牧生活そのものの破壊を意味した。定住化の強制に抵抗した人々は家畜を大量に屠殺し、生産の基盤が崩壊。1930年代初めに大規模な飢饉が発生し、餓死と国外逃亡で人口が激減した。
グラフの農村人口の急落は、この惨禍を示している。
同時期のウクライナでも集団化による大飢饉(ホロドモール)が起こっており、集団化の犠牲が穀倉地帯だけでなく中央アジアの遊牧社会にも及んだことを示す資料である。
ひっかけポイント
第二次世界大戦(1941年独ソ戦開始)より前の1930年代前半の出来事である点が年代の決め手。ウクライナの飢饉と同じ政策(集団化)の別の現れとして整理する。
選択肢の確認
①「アメリカへの大量移民」
❌ 誤り。
当時のソ連は国民の出国を厳しく制限しており、アメリカへの大量移民は起こっていない。
②「石油危機による経済混乱」
❌ 誤り。
石油危機は1973年の出来事で、1930年代とは40年の隔たりがある。
③「ソ連の農業集団化の強行に伴う飢饉と遊牧民の生活破壊」
✅ 正しい。
第1次五カ年計画による農業集団化は遊牧民の定住化と家畜の強制供出を伴い、1930年代初めのカザフスタンで大規模な飢饉を招いた。
④「第二次世界大戦の戦闘による被害」
❌ 誤り。
第二次世界大戦は1939年以降で、しかもカザフスタンは主戦場にならなかった。グラフの激減は1930年代前半である。
覚えるポイント
- 農業集団化は第1次五カ年計画(1928年〜)の一環
- カザフスタンでは遊牧生活の破壊で1930年代初め大飢饉
- 同時期ウクライナでも集団化による大飢饉
共通テスト攻略
- 資料を先に観察:題名・年代・作成者・注記・凡例・単位を確認し、資料に直接示された事実と、知識から推測した内容を分ける。
- 既習事項と接続:資料中の固有名詞・制度・数量の変化を手掛かりに、同時代の政治・社会・対外関係へ結び付ける。資料にないことを印象だけで補わない。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。