RS2-015|歴史総合・世界史探究 対策問題
国立銀行条例(1872年)について述べた記述として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
渋沢栄一らが中心となって整えた、紙幣を発行する民間銀行の制度である
この問題のポイント
国立銀行条例を問う問題。「国立」とは国法に基づく民間銀行の意味で、渋沢栄一らが整えた紙幣発行銀行の制度という理解で解ける。
解説
明治初期の政府は、統一的な貨幣・金融制度づくりを急いでいた。1872年、渋沢栄一らが中心となり、アメリカの制度にならって国立銀行条例が制定された。
最大の注意点は名称である。国立銀行とは「国の法律(条例)に基づいて設立された民間銀行」の意味で、国営銀行ではない。第一国立銀行(渋沢が頭取)をはじめ、民間の出資で設立され、紙幣(国立銀行券)を発行する権利を持った。
当初は紙幣の金貨兌換義務が重く4行しか設立されなかったが、1876年の条例改正で兌換義務が緩和されると設立が急増し、153行に達した(番号が銀行名に残る)。
1882年、松方財政のもとで中央銀行として日本銀行が設立されると、紙幣発行は日銀に一元化され、国立銀行は普通銀行へ転換していった。
ひっかけポイント
「国立=国営」と思い込ませるのが最大のひっかけ。日本銀行の設立は1882年(松方財政)で、国立銀行条例(1872年)とは別物という時系列も重要である。
選択肢の確認
①「この条例で日本銀行が設立された」
❌ 誤り。
中央銀行である日本銀行は松方財政下の1882年に設立された。1872年の国立銀行条例で設立されたのではない。
②「銀行の設立は華族だけに認められた」
❌ 誤り。
国立銀行の設立は華族だけに限定されず、商人・実業家などの民間資本が参加した。渋沢栄一も旧幕臣から実業家となった人物である。
③「渋沢栄一らが中心となって整えた、紙幣を発行する民間銀行の制度である」
✅ 正しい。
国立銀行は国立銀行条例に基づいて紙幣発行を認められた民間銀行で、渋沢栄一らが第一国立銀行の設立を進めた。「国立」は国法準拠を意味する。
④「国立銀行とは国が直営する銀行のことである」
❌ 誤り。
国立銀行は政府直営ではなく、民間資本で設立された。名称の『国立』を現在の国営機関という意味に取るのが誤りである。
覚えるポイント
- 国立銀行条例は1872年、渋沢栄一ら
- 国立銀行は国法に基づく民間銀行(発券権あり)
- 1876年改正で急増し153行、日銀設立は1882年
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。