RS2-019|歴史総合・世界史探究 対策問題
民法典論争について述べた記述として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
ボアソナードらが起草した民法に「家族道徳を壊す」との批判が起こり、施行が延期された
この問題のポイント
民法典論争を問う問題。ボアソナード起草の民法への「家族道徳を壊す」という批判で施行が延期された、という論争の構図で解ける。
解説
条約改正のためには、欧米並みの法典整備が不可欠だった。政府はフランス人法学者ボアソナードらに起草させ、1890年に民法を公布した(旧民法)。個人の権利を基礎とするフランス流の内容である。
これに対し、帝国大学の穂積八束らが猛反発した。「民法出デテ忠孝亡ブ」という論文の題名が示すように、個人主義的な民法は日本の家族道徳(家制度)を破壊する、という批判である。断行派と延期派が争ったこの論争を民法典論争と呼ぶ。
結局施行は延期され、ドイツ民法などを参考に修正された明治民法が1898年に施行された。戸主が家族の婚姻などに同意権を持つ、戸主権の強い家制度を採用したものである。
この家制度は、戦後1947年の民法改正(男女平等・家制度廃止)まで続いた。
ひっかけポイント
論争の対象は民法であって刑法ではない。旧民法(1890年公布・施行延期)と明治民法(1898年施行・家制度採用)の2段階を区別するのがポイント。
選択肢の確認
①「論争の結果、フランス流の民法がそのまま施行された」
❌ 誤り。
旧民法はそのまま施行されず、戸主権の強い家制度を盛り込むなど修正された。フランス法系の原案が無変更で施行されたという説明は誤りである。
②「論争は刑法の内容をめぐるものだった」
❌ 誤り。
論争の中心は財産・家族関係を定める民法で、犯罪と刑罰を扱う刑法ではない。『民法出デテ忠孝亡ブ』が識別語になる。
③「ボアソナードらが起草した民法に「家族道徳を壊す」との批判が起こり、施行が延期された」
✅ 正しい。
ボアソナードらの旧民法に対し、家族秩序を壊すとの延期派の批判が起こり、1892年に施行延期となった。再編された明治民法は1898年に施行された。
④「民法の制定自体が最後まで見送られた」
❌ 誤り。
民法制定は放棄されず、ドイツ民法なども参照して修正した明治民法が1898年に施行された。論争は制定中止ではなく内容修正をもたらした。
覚えるポイント
- ボアソナード起草の民法に穂積八束らが批判
- 民法出デテ忠孝亡ブ、施行延期に
- 明治民法1898年施行=戸主権の強い家制度
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。