RS2-023|歴史総合・世界史探究 対策問題
明治期の政商が財閥へ成長していく過程の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 4
正解
官営事業の払下げなどで基盤を築き、持株会社を頂点に多角経営を進めた
この問題のポイント
政商から財閥への成長過程を問う問題。官営事業の払下げで基盤を築き、持株会社を頂点に多角経営を進めた、というコンツェルン形成の流れで解ける。
解説
政商とは、政府と結び付いて特権的な利益を得た商人・企業家である。三井は官金取扱い、岩崎弥太郎の三菱は台湾出兵などの軍事輸送で富を築いた。
1880年代、松方財政下で政府は財政整理のため官営事業の払下げを進めた。三井は三池炭鉱、三菱は長崎造船所・高島炭鉱、古河は足尾銅山などを取得し、これが各家の産業基盤となる。
日清・日露戦争を経て事業は多角化し、金融・鉱業・海運・貿易・製造業にまたがる企業群を、同族が支配する持株会社(三井合名・三菱合資など)の下に束ねるコンツェルン体制が完成した。これが財閥である。
財閥は戦前日本経済を支配したが、敗戦後、GHQの財閥解体で持株会社は解散させられた。「政商→財閥→解体」の長い流れで捉えたい。
ひっかけポイント
払下げの時期は松方財政期(1880年代)が中心という時期の対応に注意。財閥は外国資本ではなく同族支配の国内資本で、農業専業でもない。
選択肢の確認
①「政府が企業の私的所有を禁止したため財閥は生まれなかった」
❌ 誤り。
明治政府は私企業を禁止せず、殖産興業の後に官営事業を民間へ払い下げた。この政策が特定政商の資本蓄積を促した。
②「財閥はすべて外国資本によって設立された」
❌ 誤り。
財閥は三井・三菱・住友・安田など日本の商人・政商を母体とし、全て外国資本が設立したのではない。外資や外国技術を利用しても所有主体とは別である。
③「財閥は農業経営のみを行った」
❌ 誤り。
財閥は銀行・貿易・鉱山・造船・製造業などを傘下に置く多角経営を特徴とした。農業だけを経営する企業集団ではない。
④「官営事業の払下げなどで基盤を築き、持株会社を頂点に多角経営を進めた」
✅ 正しい。
三井・三菱などの政商は松方財政期の官営事業払下げで鉱山・造船所などを得て、銀行・商業・鉱工業を多角化した。持株会社を頂点とする財閥へ成長した。
覚えるポイント
- 政商は官金取扱い・軍事輸送などで成長
- 1880年代官営事業払下げが財閥の基盤に
- 持株会社を頂点とするコンツェルン、戦後は財閥解体
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。