RS2-038|歴史総合・世界史探究 対策問題
敗戦直後の海外からの引揚げについて述べた記述として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
軍人・民間人あわせて600万人以上が海外から引き揚げ、社会の大きな課題となった
この問題のポイント
敗戦直後の引揚げの規模と長期化を問う。600万人以上という規模と、抑留・残留孤児など「続く戦後」の視点がポイント。
解説
敗戦時、海外には軍人約350万人、民間人約300万人、あわせて600万人以上の日本人がいた。満州・朝鮮・台湾・東南アジアなど各地からの引揚げは敗戦直後から始まったが、完了までには数年を要した。
引揚げは決して順調ではなかった。ソ連占領地域からの帰還は特に遅れ、シベリア抑留者の帰国は1950年代まで続いた。満州ではソ連侵攻の混乱の中で肉親と離別した中国残留孤児が生まれ、その肉親捜しは1980年代になっても続く問題となった。
引き揚げてきた人々の住宅や就職も、焼け跡の日本社会にとって大きな課題だった。戦闘の終結が人々にとってすぐには「戦争の終わり」でなかったことを示す論点であり、資料問題でもこの視点が問われる。
ひっかけポイント
「1945年内に完了」「対象は軍人だけ」という選択肢が定番の誤り。引揚げは民間人を含み数年に及んだ。シベリア抑留や残留孤児と合わせて「続く戦後」として整理する。
選択肢の確認
①「引揚げの対象は軍人だけだった」
❌ 誤り。
復員軍人だけでなく、満州・朝鮮・台湾・南洋などに住んでいた女性・子どもを含む民間人も対象だった。軍人だけという範囲限定が誤りである。
②「軍人・民間人あわせて600万人以上が海外から引き揚げ、社会の大きな課題となった」
✅ 正しい。
敗戦時には植民地・占領地など海外に軍人・民間人600万人以上がおり、引揚げと受入れが数年にわたる国家的課題となった。中国残留孤児など長期問題も残った。
③「海外在住の日本人は全員現地に留まった」
❌ 誤り。
多くの在外日本人は敗戦で生活基盤を失い、日本へ引き揚げた。全員が現地に残ったという説明は大規模な人口移動を否定している。
④「引揚げは1945年内にすべて完了した」
❌ 誤り。
船舶不足、戦闘継続、ソ連抑留などにより引揚げは1945年内に終わらず、数年に及んだ。抑留者の帰国はさらに長期化した。
覚えるポイント
- 引揚げは軍人・民間人あわせて600万人以上
- シベリア抑留者の帰国は1950年代まで続いた
- 中国残留孤児の肉親捜しは1980年代まで続く問題に
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。