RS3-028|歴史総合・世界史探究 対策問題
吉野作造が唱えた、主権の所在を問わず民衆の利益と意向に沿った政治を求める思想はどれか。
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正解: 2
正解
民本主義
この問題のポイント
大正デモクラシーの理論的支柱を問う問題。「主権の所在を問わず民衆本位の政治」という定義そのものが民本主義の核心。
解説
大日本帝国憲法は天皇主権を定めていたため、「主権在民」を意味する民主主義をそのまま唱えることは体制批判とみなされかねなかった。この制約のなかで、憲法の枠内でのデモクラシーを理論化したのが東京帝国大学教授の吉野作造である。
吉野は1916年、雑誌「中央公論」の論文で民本主義を提唱した。その内容は、主権が誰にあるかは問わず、
- 政治の目的は民衆の利益・幸福に置くべきこと
- 政策の決定は民衆の意向に従うべきこと
の2点であり、具体的には普通選挙の実現と政党内閣制の確立を求めた。
この思想は、美濃部達吉の天皇機関説(統治権は法人としての国家に属し、天皇はその最高機関とする学説)とともに大正デモクラシーの理論的支柱となり、1925年の普通選挙法成立への流れを支えた。
ひっかけポイント
民本主義は「民主主義(主権在民)」とあえて区別した点が核心。天皇機関説(美濃部達吉)との人物・学説の組合せ入れ替えに注意。
選択肢の確認
①「無政府主義」
❌ 誤り。
無政府主義は国家権力そのものを否定する思想である。吉野は国家体制内で普通選挙・政党政治を発展させようとした。
②「民本主義」
✅ 正しい。
吉野作造の民本主義は帝国憲法下で主権の所在を直接問わず、政治目的を民衆の福利に置き、普通選挙と政党内閣を求めた。
③「国体明徴論」
❌ 誤り。
国体明徴論は天皇機関説を排撃し天皇中心の国体を強調した1930年代の議論である。吉野の大正デモクラシー思想ではない。
④「超国家主義」
❌ 誤り。
超国家主義は国家・天皇への絶対的献身や対外膨張を主張する思想で、民衆の意向を政治へ反映させる民本主義とは異なる。
覚えるポイント
- 民本主義は吉野作造が1916年に提唱
- 内容は普通選挙と政党内閣の実現要求
- 美濃部達吉の天皇機関説とセットで大正デモクラシーの支柱
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。