WT2-C14|歴史総合・世界史探究 対策問題
17〜18世紀ヨーロッパの主権国家体制について述べた文として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
ウェストファリア条約により、対等な主権国家が並び立つ国際秩序が確立した
この問題のポイント
ウェストファリア条約の歴史的意義を問う問題。「三十年戦争の講和=主権国家体制の確立」という国際関係史の出発点を押さえる。
解説
三十年戦争(1618〜48年)は、ドイツ(神聖ローマ帝国)の宗教対立から始まり、フランスやスウェーデンなど諸国が参戦してヨーロッパ最大級の国際戦争となった。この戦争を終わらせたのが1648年のウェストファリア条約である。
条約では、ドイツ諸侯にほぼ完全な主権が認められ、カルヴァン派の信仰も公認された。スイスとオランダの独立も国際的に承認された。これにより神聖ローマ帝国は事実上形骸化し、「神聖ローマ帝国の死亡証明書」とも呼ばれる。
意義はさらに大きい。皇帝や教皇といった中世的な普遍的権威が退場し、対等な主権国家どうしが外交と勢力均衡によって並び立つ**主権国家体制(ウェストファリア体制)**が確立したのである。常駐外交使節の交換など、近代外交の慣行もこの体制のもとで整った。
国家を単位とする現代の国際関係は、この体制の延長線上にあるとされる。
ひっかけポイント
ウェストファリア条約(1648年・三十年戦争の講和)を、ユトレヒト条約やウィーン会議など他の国際的取り決めと混同しない。「皇帝がヨーロッパを単一支配」は帝国形骸化と正反対の誤り。
選択肢の確認
①「国境の概念が消滅した」
❌ 誤り。
主権国家体制は明確な領域と国境を前提とする秩序であり、国境の概念が消滅したという説明は成り立たない。
②「外交使節の交換は禁止された」
❌ 誤り。
この時代には常駐の外交使節や外交儀礼が整備されていき、使節の交換が禁止された事実はない。
③「ウェストファリア条約により、対等な主権国家が並び立つ国際秩序が確立した」
✅ 正しい。
三十年戦争を終結させたウェストファリア条約(1648年)は各国の主権と信仰の選択を相互に認め、対等な主権国家が並び立つ国際秩序を確立した。
④「神聖ローマ皇帝がヨーロッパ全体を単一国家として支配した」
❌ 誤り。
ウェストファリア条約は諸領邦にほぼ主権を認めて神聖ローマ帝国を事実上形骸化させており、単一国家としての支配とは正反対である。
覚えるポイント
- ウェストファリア条約は1648年、三十年戦争の講和条約
- 神聖ローマ帝国は形骸化、スイス・オランダの独立承認
- 対等な主権国家が並ぶ主権国家体制=近代国際秩序の原型
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。