WT2-C10歴史総合・世界史探究 対策問題

世界史探究C 諸地域の交流・再編(3) アジア諸地域とヨーロッパの再編

オスマン帝国の統治について述べた文として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 3

正解

キリスト教徒などの宗教共同体に自治を認めるミッレト制がとられた

この問題のポイント

オスマン帝国の多宗教統治の仕組みであるミッレト制を問う問題。「納税と引き換えに非ムスリムへ自治を認めた」という寛容な統治がポイント。

解説

オスマン帝国は、バルカン半島から西アジア・北アフリカまでを支配した多民族・多宗教の大帝国である。人口にはギリシア正教徒やユダヤ教徒など多数の非ムスリムを含んでおり、彼らをどう組み込むかが統治の鍵だった。

帝国は、非ムスリムを宗教ごとの共同体=ミッレトとして編成し、納税を条件に信仰の自由と内部の自治(裁判・教育など)を認めた。ギリシア正教徒・アルメニア教会派・ユダヤ教徒などのミッレトが置かれ、異教徒を力で改宗させるのではなく共存させる柔軟な支配を実現した。

さらに、バルカンのキリスト教徒の子弟を徴用して改宗・教育するデヴシルメにより、皇帝直属の常備歩兵軍イェニチェリや高級官僚を養成した。ヨーロッパ商人にはカピチュレーションと呼ばれる通商特権も与えた。

この多宗教共存の帝国は、19世紀にナショナリズムが広がると各民族の独立運動によって解体へ向かうことになる。

ひっかけポイント
「イスラーム帝国=他宗教を禁止」という思い込みが引っかけの型。実際は自治を認める共存型だった。ミッレト制(宗教共同体)とデヴシルメ(人材徴用)の役割の混同にも注意。

選択肢の確認

①「官僚と軍人はトルコ人貴族に限られた」
誤り。
デヴシルメによってバルカンのキリスト教徒の子弟が登用され、イェニチェリや高級官僚となっており、トルコ人貴族に限られてはいない。

②「商業活動は法律で禁止されていた」
誤り。
オスマン帝国は東西交易の要衝を押さえて商業から利益を得ており、カピチュレーションで外国商人にも通商特権を与えた。

③「キリスト教徒などの宗教共同体に自治を認めるミッレト制がとられた」
正しい。
オスマン帝国は非ムスリムをミッレトとして編成し、納税を条件に信仰と自治を認める多民族・多宗教の統治を行った。

④「イスラーム以外の宗教はすべて禁止された」
誤り。
ミッレト制の存在が示すとおり、キリスト教徒やユダヤ教徒の信仰は認められていた。

覚えるポイント

  • ミッレト制=非ムスリムの宗教共同体に納税と引き換えの自治を認める
  • デヴシルメでキリスト教徒子弟を徴用→イェニチェリ・官僚に
  • カピチュレーション(通商特権)は後の不平等条約化の伏線

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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