WT2-C11|歴史総合・世界史探究 対策問題
スペインがアメリカ大陸で行った銀の採掘と、その世界的影響について述べた文として正しいものはどれか。
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正解: 2
正解
ポトシ銀山などの銀が大量にヨーロッパとアジアへ流れ、世界的な商業の活発化を促した
この問題のポイント
アメリカ大陸産の銀が世界経済に与えた影響を問う問題。銀がヨーロッパ(価格革命)とアジア(中国の銀経済化)の両方へ流れた構図を押さえる。
解説
16世紀半ば、スペインは現在のボリビアでポトシ銀山を、メキシコでも大銀山を開発した。採掘を担ったのは先住民で、エンコミエンダ制やミタと呼ばれる強制労働により多くの命が失われた。
この大量の銀は二つの方向へ流れた。第一はヨーロッパである。銀の流入と人口増により物価が2〜3倍に高騰する価格革命が起こり、固定額の地代に頼る領主層は打撃を受け、商工業者は潤った。
第二はアジアである。スペインはメキシコのアカプルコからフィリピンのマニラへ銀を運び、中国の絹や陶磁器と交換した(アカプルコ貿易)。明では銀が事実上の通貨となり、税を銀で一括納入する一条鞭法が広がった。日本の石見銀山の銀もこの流れに合流した。
こうして銀が地球を一周する「最初のグローバル経済」が成立し、世界的な商業の活発化(商業革命)が進んだのである。
ひっかけポイント
「銀の流入で物価が下落した」は価格革命(物価騰貴)と正反対の誤り。また銀はヨーロッパ行きだけでなく、マニラ経由で中国へも大量に流れた点を見落とさないこと。
選択肢の確認
①「中国は銀の流入をすべて拒否した」
❌ 誤り。
明・清の中国は世界の銀を吸い寄せる巨大な市場であり、一条鞭法や地丁銀制のように税も銀で納めるようになった。
②「ポトシ銀山などの銀が大量にヨーロッパとアジアへ流れ、世界的な商業の活発化を促した」
✅ 正しい。
ポトシ銀山などの銀はヨーロッパへ流入して価格革命をもたらし、マニラ経由で中国へも流れて明の税制の銀納化を支えた。
③「銀はすべてアメリカ大陸内で消費された」
❌ 誤り。
銀はヨーロッパやアジアへ大量に運ばれており、アメリカ大陸内ですべて消費されたという説明は事実に反する。
④「銀の流入はヨーロッパの物価を下落させた」
❌ 誤り。
大量の銀の流入はヨーロッパの物価を上昇させ、価格革命と呼ばれた。下落という説明は方向が逆である。
覚えるポイント
- ポトシ銀山(現ボリビア)は16世紀半ばに開発、強制労働で採掘
- ヨーロッパでは価格革命(物価騰貴)が発生
- マニラ経由で銀が中国へ→明の一条鞭法(銀納)を支える
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。