WT9-E18|歴史総合・世界史探究 対策問題
アメリカ産業革命期の技術革新で、綿花生産を急拡大させた発明はどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
ホイットニーの綿繰り機
この問題のポイント
綿花生産を急拡大させたホイットニーの綿繰り機を問う。技術革新が奴隷制を強化したという逆説的な因果が核心。
解説
前提として、18世紀末のイギリスでは綿工業の機械化が進み、原料の綿花需要が急増していた。しかし綿花から種子を取り除く作業は手作業で、生産の隘路だった。
1793年、アメリカのホイットニーが綿繰り機(コットン・ジン)を発明し、この作業を劇的に効率化した。
結果、アメリカ南部では綿花プランテーションが爆発的に拡大し、労働力としての奴隷制がむしろ強化・拡大された。衰退しかけていた奴隷制が、技術革新によって延命したのである。南部の綿花はイギリス綿工業へ輸出され、大西洋をまたぐ「綿の帝国」が形成された。
この南部の奴隷制経済と北部の工業経済の対立が、やがて南北戦争(1861〜65年)につながる。ホイットニーが互換性部品(大量生産の原理)の先駆者でもある点は差がつく知識である。
ひっかけポイント
技術の進歩が奴隷制を弱めたのではなく強化したという逆説が核心。ワット(蒸気機関)・スティーヴンソン(蒸気機関車)との発明者の入れ替えにも注意。
選択肢の確認
①「ベルの電話」
❌ 誤り。
ベルの電話は1876年の発明であり、綿花生産の拡大とは関係がない。
②「ホイットニーの綿繰り機」
✅ 正しい。
ホイットニーが1793年に発明した綿繰り機は綿花から種子を取り除く作業を劇的に効率化し、アメリカ南部の綿花プランテーションと奴隷制を急拡大させた。
③「ワットの蒸気機関」
❌ 誤り。
ワットの蒸気機関はイギリスで改良された動力機関であり、綿花の栽培そのものを拡大させた発明ではない。
④「スティーヴンソンの蒸気機関車」
❌ 誤り。
スティーヴンソンの蒸気機関車は1825年にイギリスの鉄道で実用化されたもので、時期も国も異なる。
覚えるポイント
- ホイットニーの綿繰り機は1793年
- 綿花プランテーションと奴隷制が急拡大
- 南部の綿花経済が南北戦争の対立軸に
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。