WT9-K16|歴史総合・世界史探究 対策問題
明末清初の中国で編纂された大規模な書物として正しいものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正解
『四庫全書』
この問題のポイント
清の大編纂事業『四庫全書』を問う。乾隆帝による文化事業と、文字の獄・禁書という思想統制の両面が核心。
解説
前提として、少数の満洲人が多数の漢人を支配した清は、中国文化の保護者として振る舞う懐柔策と、反清思想の弾圧という威圧策を併用した。
その象徴が乾隆帝の命による『四庫全書』である。全国から書物を集め、経・史・子・集の四部に分類して筆写した約8万巻の一大叢書で、明の『永楽大典』と並ぶ大編纂事業である。
しかし裏の顔があった。収集の過程で反清的・反満的な記述を持つ書物は改変・破棄され、禁書とされた。文章の字句を口実に弾圧する文字の獄も行われた。
学問の保護と思想統制が表裏一体だったのであり、弾圧を避けた学者たちは、古典の文献学的研究に打ち込む考証学へ向かった。同時代のフランスで啓蒙思想の『百科全書』が編まれていたことと対比する、18世紀の東西比較も世界史探究らしい問われ方である。
ひっかけポイント
『四庫全書』(清・乾隆帝)と『百科全書』(フランス啓蒙思想)、『永楽大典』(明・永楽帝)の編纂物の入れ替えが定番。文化保護と思想統制の両面評価が核心。
選択肢の確認
①「『百科全書』」
❌ 誤り。
『百科全書』は18世紀フランスでディドロとダランベールが編纂した啓蒙思想の書物である。
②「『四庫全書』」
✅ 正しい。
清の乾隆帝が全国の書物を経・史・子・集の四部に分類して集大成させた大編纂事業で、同時に反清的な書物を弾圧する禁書の側面も持っていた。
③「『史記』」
❌ 誤り。
『史記』は前漢の司馬遷が著した紀伝体の歴史書であり、明末清初の大編纂事業ではない。
④「『ローマ法大全』」
❌ 誤り。
『ローマ法大全』は6世紀にビザンツ帝国のユスティニアヌス帝が編纂させた法典である。
覚えるポイント
- 四庫全書=清の乾隆帝、経・史・子・集の四部分類
- 編纂と並行して禁書・文字の獄(思想統制)
- 弾圧を避けた学者は考証学へ
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。