WT9-K20|歴史総合・世界史探究 対策問題
世界遺産条約(1972年採択)の目的として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
人類共通の遺産として文化遺産・自然遺産を国際協力で保護すること
この問題のポイント
世界遺産条約の目的を問う。人類共通の遺産を国際協力で保護する枠組みで、ヌビア遺跡救済が成立の契機という経緯が核心。
解説
前提として、1960年代、エジプトがアスワン・ハイダムを建設すると、上流のヌビア遺跡(アブ・シンベル神殿など)が水没の危機に瀕した。
ユネスコの呼びかけで約50カ国が資金と技術を出し合い、神殿を丘の上へ移築して救済した。この国際協力の成功体験が、1972年のユネスコ総会での世界遺産条約採択につながった。
条約の目的は、顕著で普遍的な価値を持つ文化遺産・自然遺産を、「人類共通の遺産」として国際協力によって保護することである。遺産の所有権は各国に残り、国連に移すわけではない。観光収益の最大化も目的ではなく、むしろ観光圧力と保全の両立が課題となっている。
開発と保全の対立をどう調整するかという現代的課題を象徴する制度であり、成立の経緯(ダム開発→遺跡救済→条約)が資料問題で頻出する。
ひっかけポイント
目的は保護であり、観光収益や所有権の移転ではない。ヌビア遺跡救済(ダム開発が契機)という成立エピソードが資料問題で狙われる。
選択肢の確認
①「遺産の所有権を国連に移すこと」
❌ 誤り。
遺産の所有権は各国に残り、国際協力によって保護を支援する仕組みである。
②「各国の軍事施設を保護すること」
❌ 誤り。
対象は文化遺産と自然遺産であり、軍事施設の保護を目的とする条約ではない。
③「人類共通の遺産として文化遺産・自然遺産を国際協力で保護すること」
✅ 正しい。
アスワン・ハイダム建設で水没の危機に瀕したヌビア遺跡の救済を機に1972年のユネスコ総会で採択され、人類共通の遺産を国際協力で守る枠組みを定めた。
④「遺産の観光地化による収益の最大化」
❌ 誤り。
条約の目的は遺産の保護であり、観光収益の最大化ではない。過剰な観光はむしろ保全上の課題とされる。
覚えるポイント
- 世界遺産条約は1972年ユネスコ総会で採択
- 契機はアスワン・ハイダムからのヌビア遺跡救済
- 文化遺産と自然遺産を国際協力で保護
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。